1.はじめに
みなさんはラバーの購入を検討する際は、価格も重要な選択基準の一つだと思います。
購入の際の価格の予算は、人によって異なると思いますが、各メーカーがどのくらいの価格帯でラバーを販売しているのかを知っておくと、購入の検討の際の役に立つかもしれません。
そこで、今回は国内の主要な卓球メーカー6社について、裏ソフトラバーの平均価格について調査してみました。興味のある方は参考程度にご覧いただけますと幸いです。
※国外メーカーについては、別の機会に掲載予定です。
2.調査に当たっての留意点
(1)調査したメーカーについて
今回は、以下の国内メーカー6社について調査を行いました。
- バタフライ
- ニッタク(紅双喜含む)
- ヴィクタス
- ジュイック(コニヨール社含む)
- ヤサカ
- ミズノ
※ジュイックについては、Dr.Neubauerの製品も取り扱っていますが、今回は対象外としています。
(2)価格について
調査に当たっては、各メーカーのHP及びデジタルカタログに掲載されている定価を使用していますので、実際に購入する場合は、定価から割引された価格で購入が可能です。
(3)オープン価格について
バタフライ社の一部の製品については、定価を設定せず「オープン価格」として販売しています。
今回は、大手卓球ショップ「国際卓球」で販売している価格を参考として以下のように推測しましたので、参考値であることをご理解の上、ご覧ください。
卓球ショップ「国際卓球」において、バタフライの製品「グレイザー」を定価の10%オフで販売していることを基準として、オープン価格のラバーも10%で販売していると仮定して算出。
計算例:「ディグニクス05」の販売価格=9,405円(2024年1月5日現在)
9,405円÷90(%)×100(%)=10,450円と推定しました。
なお、今回の調査は個人的にネット情報から得られたデータを使用していますので、細かな誤りがあるかもしれません。よって参考程度にご覧いただければ幸いです。※2023年12月末現在
3.ハイテンションラバーについて
今回、ラバーの価格について記載するにあたり、ハイテンションラバーについて触れておく必要があります。
何故かというと、1997年にバタフライが業界初のハイテンションラバー「ブライス」を発売しました。「ブライス」は、当時のラバー価格としては非常に高い価格設定(5,000円税抜き)で販売し、そこから他社も追随し、テンション系ラバーが次々と発売されました。
その後、テンション系ラバーが主流となったためラバーの全体の販売価格が大幅に上昇した背景があることをご認識ください。
4.メーカー別の価格帯
それでは、各メーカーの平均価格をご紹介します。なお、各メーカーの主力商品(一例)のリンクを参考までに貼っておきますので、割引になった実際の販売価格も必要に応じてご確認ください。
なお、ネットショップによっては、平然と定価を超える価格で販売しているショップや送料が過度に高額なショップもありますので、購入を検討する場合はご注意ください。
(1)バタフライ
まずは、ハイテンションラバーを開発し、卓球メーカーのプライスリーダーと言えるバタフライです。世界でもっとも流通している卓球メーカーといっても過言ではないでしょう。
製品数:30種類
平均価格:6,545円
大方の予想どおりでしょうか、バタフライがメーカー別平均価格は最高額でした。オープン価格で販売している『ディグニクスシリーズ』・『テナジーシリーズ』のラインナップが豊富なため、全体の平均価格を引き上げています。
とはいえバタフライは、ビギナー向けにはリーズナブルかつ高品質な商品も数多く販売しています。さすが、卓球メーカー随一と言われるだけの品質を誇るメーカーいったところでしょうか。
(2)ニッタク(紅双喜含む)
続きまして、信頼と実績のニッタクです。中国メーカーの紅双喜の商品(一部)も販売しています。紅双喜のキョウヒョウシリーズの愛用者も多いと思います。
製品数:24種類
平均価格:5,633円
バタフライより1,000円ほど低い平均価格となりました。4,500円~6,000円の価格帯が42%と最も多くなっています。
ファスタークシリーズが主力商品だと思われますが、フライアットシリーズのラバーについても高品質で評価が高く、価格も5,000円以下で販売しており好感が持てます。
ちなみに、日本で発売されているラバーのうち最高額のラバーは、「キョウヒョウ3国狂ブルー(紅双喜)」19,800円です。台にぶつけるのが怖くてフルスイングを躊躇しそうです。
(3)ヴィクタス
続きまして、TSPと合併したヴィクタスです。TSPの商品も受け継いでいるので、商品数も豊富です。ヴィスタスも日本国内ではかなり製品が流通しているメーカーと言えるでしょう。
製品数:29種類
平均価格:5,564円
平均価格は、ライバルのニッタクと同程度でした。「V(ブイ)」シリーズが主力商品といえます。最新作「V>22ダブルエキストラ」の価格が8,250円と、ついにヴィクタスからも8,000円超のラバーが登場しました。
(4)ジュイック(コニヨール社含む)
続きまして、ジュイックです。個人的には、井関晴光さんのイメージが強いです。
なお、ジュイックは、Dr.Neubauerの製品も扱っているのですが、Dr.Neubauer のラバーは、特殊なラバーが多く、シェアも少ないと勝手に判断し調査対象から除いています。
製品数:10種類
平均価格:5,753円
ジュイックが発売している製品数は、意外に6種類と少ないです(テンションラバーが1種類のみ)。コニヨール社のハイテンションラバー「ターゲットプロ」シリーズ(4種類)を販売しているため、全体的に価格が高めの設定となっています。
ジュイックは卓球王国が毎年発行している『卓球グッズ』に、2018年以降、新商品の広告を出しておらず、個人的には製品開発が活発でない印象を受けています。
(5)ヤサカ
続きまして、ヤサカです。昔から使われてきた「マークⅤ」シリーズを発売しているメーカーとして有名です。一部のトップ選手も使用している「ラクザ」シリーズを発売しています。
製品数:24種類
平均価格:4,826円
根強い人気を誇る「マークⅤ」シリーズが、3,000円~4,000円の価格帯なので、平均価格が他社よりやや低めになっています。
最高額のラバーは、現在ヤサカ社のイチオシラバー「ラクザXX(ダブルエックス)」7,480円です。
(6)ミズノ
最後にミズノです。シューズのイメージが非常に強いですが、意外にも12種類もの裏ソフトラバーを販売しています。
製品数:12種類
平均価格:5,958円
ラインナップのほとんどが、ハイテンション系ラバーのため平均価格が高めになっています。「Qパワー」7,700円を筆頭とするQシリーズを発売しています。
卓球王国が発行する「卓球グッズ2023」では、メーカーイチオシ商品としてシューズ「ウェーブドライブ」の新作を紹介しています。やはり、さすがにラバーよりシューズが主力商品ということでしょう。
5.平均価格(全体)
最後に、調査対象全体の平均価格です。
製品数:129種類
平均価格:5,719円
今回の調査では、4,500円~6,000円の価格帯が31%と最も多くの商品が発売されていることが分かりました。この価格帯のラバーは、テンション系ラバーが大多数を占めています。個人的な印象としては、各メーカーの最高品質の高額ラバーには手は出ないものの、それに近い性能を持った高性能ラバーの需要が高いと感じています。
ちなみに今回の調査対象のラバーで最も高額だったのは、さきほどご紹介した「キョウヒョウ3国狂ブルー(紅双喜)」19,800円ですが、2番目の高額ラバーは、バタフライの『ディグニクス』シリーズ10,450円(推定価格)でした。使用している市民プレーヤーを良く見かけるので、市民権を得ている印象です。
6.まとめ
みなさまが普段使っているラバーは、平均価格と比較してどのくらいだったでしょうか?
これまでの結果を下表のとおりまとめましたので参考程度にご覧ください。
冒頭でも触れましたが、表示価格はあくまで定価ですので、実際の店舗やネットで購入する際は、割引価格で購入が可能です。
先に述べましたとおりバタフライは、オープン価格で販売している『ディグニクスシリーズ』・『テナジーシリーズ』のラインナップが豊富なため、全体の平均価格を引き上げています。
私のまわりでは、テナジーシリーズの使用者だったプレーヤーが、次々とディグニクスに乗り替えるケースが続出しています。さすがに、一昔前のように5,000円台のラバーは高いという時代は終わったように感じています。
今回は、国内の各メーカーの裏ソフトラバーの平均価格について、みなさまにも共有できればと考えて掲載いたしました。海外メーカーのラバーについては、以下の記事をご覧ください。
以上となります。みなさまの参考になれば幸いです。
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