1.はじめに
卓球における『ラバーの厚さ』は、用具選びにおいてものすごく重要です。
これまで、なんとなくラバーの厚さを選んでいた方もいるかもしれません。
例えば私の周りでは、男性の場合に限って言えばフォア面のラバーはほとんどの方が「特厚」や「MAX」を使っています。
ですが、本当にその選択は、自分のプレースタイルにフィットしていると断言できるでしょうか?
明確な目的はないのだけれど、何となく「特厚」「MAX」を長年使っていた方が、試しに少しだけ薄いラバーを使ってみたところ、プレーの質がはっきりと良くなることも珍しくないのです。
そこで、今回は中級者(自称)の私が、同種類のラバーで「特厚」「厚」を改めて使用して見たうえでのラバーの厚さ「特厚」「厚」の選択について見解を述べてみたいと思いますので、最後まで見て頂ければ幸いです。
【本記事の留意点】
※1:ラバーの厚さの表示はメーカーによって異なりますが、今回の記事では「特厚」「厚」に絞って検証していますのでご了承ください。
※2:今回の記事は、「裏ソフトラバー」「攻撃型選手向け」を前提としています。
なお、全体的なラバーの厚さの考え方については、以下の記事で詳しく書いていますので、興味のある方は是非ご覧ください。
2.検証で使用したラバー
今回の検証で使用したラバーをご紹介します。
使用ラバー:グレイザー(バタフライ)
このラバーは、私がペンホルダーラケットの裏面に貼って使用.しているラバーです。トップ選手が使用しているハイエンドラバー(ディグニクスなど)よりは、やや性能は落ちると言われていますが、中級者向けにより使いやすく設計されており、比較的リーズナブルな価格に設定されているため、安心して購入できる高性能ラバーです。
バタフライの最高級ラバー「ディグニクス」シリーズのラバーは、かなり高額なので手が出ないけど、もう少し安くて良いラバーないかな~?と考えている方には、個人的には一度は試していただきたいラバーです。
威力と安定した弧線を両立するハイパフォーマンスラバー
グレーの「スプリング スポンジX」を採用した『グレイザー』。球持ちがよく、表面の摩耗耐久性が高いシートと、スポンジ硬度38に設計された「スプリング スポンジX」の組み合わせは、打球に回転による威力をもたらすとともに、安定した弧線を描く打球を可能にします。回転を重視したパワフルな両ハンドドライブやカウンターが打てる喜びを、より幅広いレベルの選手に提供します。
3.ラバー重量の比較
最近購入した「グレイザー」の重量を比較してみましたのでご覧ください。
カット前の状態で、約5gだけ「厚」のほうが軽い結果となりました。少しだけ、「厚」の方が軽くなりますが、大幅なラケット重量の軽量化は期待できないことが分かります。
ちなみに、上記のラバーをラケットに合わせてカットして貼り合わせた結果、今回の場合は、「厚」の方が3g程度軽くなりました。
スポンジの厚さは、同じ厚さのラバーでも幅があります。従って、ラバー重量も、商品によって個体差があることをご認識ください。
同じ商品・同じの厚さの商品でも個体差がありますので、こだわりのある方は卓球ショップでパッケージごとの重量を計量して購入される方もいます。
※私の場合も、はかり(重量計)が置いてあるショップでは必ず重量を確認して購入します。
4.厚さによる特徴の違い
ラバーのスポンジの厚さによる一般的な特徴は以下のようになりますので、確認しておきましょう。
今回の検証では、「特厚」「厚」を比較していますので、初心者の方でも分かるような明確な違いは出ませんが、ある程度試合で勝ち進むレベルになってくると、違いが分かるようになってきます。
【参考】上段:特厚、下段:厚
肉眼では見分けがつかないくらいほどの差ですが、実際に打つと違いが分かります!
5.プレースタイルに応じた選択
「特厚」「厚」どちらが自分のプレーに向いているかは、自分のプレースタイル又は自分がどのようなプレーをしたいか?を考慮する必要があります。
今回は、どちらが適しているかについて、例を挙げてみましたので自分がめざすプレースタイルと比較してみてください。
※個人的見解になりますので、ご容赦ください。
(1)特厚が適している方
・3球目攻撃の破壊力を優先したい
・ラリー戦(ドライブ)で相手を制圧したい
・ガンガン攻めるプレーが好きだ
・スイングスピードの速さには自信がある
・ミスが出ても、エースボールの方が多ければ気にならない
(2)厚が適している方
・安定したレシーブを目指したい
・攻守を織り交ぜて、相手とのかけひきを楽しみたい
・ボールをインパクトした時の打球感を大切にしたい
・ミスを極力減らして、丁寧なプレーがしたい
・ボールの威力より、コースをついて相手のプレーを封じたい
なお、上級者は、「特厚」や「MAX」のデメリット(台上処理の難しさ等)を技術力でカバーできます。逆に薄いラバーのデメリット(弾みが弱い)は、技術力でカバーすることは困難です。
こういった理由から、上級者で攻撃型の裏ソフトラバー使用者には「厚」以下の薄いラバーを使用する選手がほとんどいないのです。
ちなみに私の場合のラバーの厚さや理由について参考までに記載いたします。
フォア面:特厚
【理由】
・スイングスピードだけは自信あり
・ガンガン攻めるのが好き
・3球目攻撃の威力重視
・台から下がった際のドライブの威力を確保したい
バック面:厚
【理由】
・裏面打法のスイングスピードが遅い
・とにかくミスを減らしたい
・裏面チキータの威力より精度を優先したい
・打球スピードよりコースを重視したい
6.おわりに
いかがだったでしょうか?自分がやりたいプレーと、ラバーの厚さは合致していましたでしょうか?
はじめにも述べましたが、今使っているラバーの厚さを一段下げて使ってみたら、『驚くほど使いやすくて、プレーの質が上がった!』というケースは良くあることなのです。
更に言うと、バック面のラバーの厚さを変えたらフォア面の打球感が変わったりもします。
使ってみたラバーが自分に合わないと感じた場合は、ラバーの種類を変えるのではなく、ラバーの厚さを変えてみるのも良い方法だと言えます。
私自身、ラバーを購入する際に「特厚」か「厚」にするか迷うことがあるので、今回の記事を書いてみました。
以上となります。皆さまの参考になれば幸いです。
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