【卓球】プレーが面白い!欧州屈指の裏面打法使い「フェリックス ルブラン(フランス)」

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トップ選手の分析・展望

1.はじめに

みなさんは、卓球プレーヤー「フェリックス・ルブラン」選手(フランス)をご存じですか?

彼は、ヨーロッパでは特に希少なプレイスタイルである「ペンホルダープレーヤー」であり、一気に世界ランク上位に駆け上がってきている注目選手です。

そして、ペンホルダーの弱点と言われているバックハンドを、ペンホルダー独自の技術「裏面打法」を駆使し、シェークハンドのバックハンドと引けをとらないプレーを見せてれています。

なにより、プレーが個性的なので見ていて面白いのです!

という訳で、今回はF・ルブラン選手について個人的見解を交えながら分析していきたいと思います。

2.F・ルブラン選手について(2023年10月現在)

国籍:フランス

年齢:17歳

戦型:ペンホルダー攻撃型(右利き)

世界ランク:15位

WTTプロツアー等にてコンスタントに好成績を挙げ、若干17歳にして世界ランクを20位以内に上昇させてきている注目選手です。

兄であるアレックス・ルブラン選手は、シェークハンド攻撃型。(20歳:世界ランク18位)。

3.使用用具(中国式ペン・粘着ラバー)

F・ルブラン選手は、かつて別の卓球メーカーの契約選手でしたが、現在はTIBHARの契約選手ということもありラケット、ラバーともにTIBHAR社の製品を使用しています。

ラケット:ハイブリッドACインサイド
ラバー:ハイブリッドK3(両面とも)硬度53°
※ラバー「ハイブリッドK3」は、卓球グッズ2023(卓球王国発行)では、粘着系ハイテンションラバーに分類されています。

なお、2023年10月頃から新たにTIBHARジャパンHPが開設されており、TIBHAR社の製品の確認をすることができます。個人的には、見やすいHPで好感が持てました。

TIBHAR JAPAN
TIBHAR JAPAN公式WEBサイト.TIBHAR(ティバー)は1969 年に誕生したドイツのブランド 半世紀以上、卓球界に尽くしてきた 今、私たちは日本市場に本気だ.常に挑戦の心を忘れず 私たちにしかできないことを信じ、突き進む.

●ラケット重量について

ラケット:90g前後(TIBHARジャパンHPの平均重量より推測)
ラバー:50g前後(両面2枚で100g程度)
※ラバーは両面とも全面に貼っており、硬めの粘着系ハイテンションラバーであることから1枚50g程度と推測されます。

従って、ラケット総重量は190g前後(推定)とペンホルダーにしては重いラケットと言えます。

一見、細身のF・ルブラン選手ですが、190g前後(推定)のラケットを難なくスイングしているので、内なるパワーを感じさせます。

4.グリップ

F・ルブラン選手の特徴的なグリップをご紹介します。

(1)ラケット表面(親指、人差し指)

親指をかなり深く差し込んでいるようです。かつての裏面打法の第一人者であった王皓(ワンハオ)選手のグリップに近い印象です。

このグリップは、裏面打法がかなり打ちやすくなります。そのかわり、バックハンドショートは角度が出せなくなるので難しくなります(ほぼ無理です)。

(2)ラケット裏面(中指・薬指・小指)

ラケット裏面については、3本の指を曲げてラケットを支えており標準的なグリップと言えそうです。

5.サーブ

(1)フォアハンドサーブ時のグリップ

サーブ時のグリップは、かなり特徴があります。通常は、深く入れている親指を完全に外しています。おそらく、サーブ時の手首の可動域を広げているものと推測されます。

(2)バックハンドサーブ

流れを変えたいときや、勝負所などに使うことがあります。

ちなみに、2023年10月7日のワールドツアー「WTTスターコンテンダー」の男子シングルス準々決勝で、MA Jinbao(アメリカ)と対戦した試合では、3セット目:2回、5セット目:6回と合計8回バックハンドサービスを使用していました。

バックハンドサーブの際のグリップは、一般的なグリップのようです。

6.レシーブ

先ほども触れました「WTTスターコンテンダー」の男子シングルス準々決勝で、MA Jinbao(アメリカ)戦でのレシーブの傾向について参考までに挙げてみます。

・レシーブ回数:46回

・裏面打法によるレシーブ:10回(21.7%)

・ツッツキ又はストップ:32回(69.6%)

・フォアフリック又はフォアドライブ:4回(8.7%)

これは、個人的には意外でした。F・ルブラン選手は裏面打法がかなりうまいので、裏面チキータを多用すると思いきや「ツッツキ又はストップ」をメインに試合を組み立てていました。

もちろん相手のサーブの性質により割合は変動するとは思いますが、基本的に「ツッツキ又はストップ」の割合が高い傾向にあるようです。

また、裏面打法によるレシーブは、サーブが台から出るか又は出るか出ないかギリギリの長さの時だけ使用し、ショートサーブを台上裏面チキータで処理することはありませんでした。

メインとして使用していた「ツッツキ又はストップ」によるレシーブもミスが非常に少ないので、回転の見極めも優れているのではないかと推察されます。

7.その他の特徴

(1)試合のテンポが非常に早い

F・ルブラン選手の大きな特徴の一つに、「試合のテンポが非常に早い」ことが挙げられます。ポイントとポイント間のインターバルが異常なほどに短いのです。

サーブであろうとレシーブであろうと相手より先に構えています。経験のある方は、理解していただけると思いますが、テンポが早い選手と試合をすると自分のペースで試合を進めることが難しくなるので嫌なものなのです。

このことからF・ルブラン選手の頭の良さを感じます。何故なら、このクラスの選手は当然ながら先の先まで試合展開を予測しながら作戦を立てています。

異常なまでに早いテンポでゲームを進めることが出来る

瞬時に「予測」や「次の作戦を立てる」を行っている

非常に頭の良い(回転が速い)選手
これは、普段の練習から意識していない限り絶対に出来ない!

(2)メンタルコントロールがうまい

17歳と思えないほど、メンタルの切り替えが早いように感じます。どんなミスをしても後に引きずることなく直ぐに次のプレーに気持ちを切り替えています。

時々、ミスの後に大きな声を出すことがありますが、大きな声を出すことによりフラストレーションをコントロールしているためか、次の瞬間、何事もなかったかのように次のプレーに入っていくのです。

これは、推測ですがメンタルトレーニングコーチがついているのだと思います。でないと若干17歳であの切り替えの早さや試合のテンポの速さは実現できないのではないかと個人的には感じています。

8.おわりに

いかがだったでしょうか?

F・ルブラン選手については、最初は裏面打法を使うプレーヤーとして注目していたのですが、試合を見れば見るほど他の優れた点の発見もありファンになってしまいました。

兄であるA・ルブラン選手(シェーク攻撃型)との兄弟がいるだけで、フランスが非常に強いチームになっています。パリオリンピックの卓球が更に盛り上がること間違いなしです。

日本チームとの対戦も楽しみです。

以上となります。

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