1.はじめに
表ソフトラバーは、スピードやナックルだけでなく、回転性能やコントロール性能など、さまざまな特徴を持つ奥深いラバーです。
一口に表ソフトラバーと言っても、粒形状や粒の大きさ、粒の間隔、粒配列などの違いによって性能は大きく変わります。そのため、プレーヤーの戦型や目指すプレースタイルによって最適なラバーは異なります。
現在では各メーカーから多種多様な表ソフトラバーが発売されており、それぞれ異なる特徴を持っています。
そこで、今回は表ソフトラバーの性質や特徴について分かりやすく解説します。
なお、本記事でご紹介する内容は一般的な傾向です。実際の性能は、シートやスポンジの設計などによって異なるため、例外もありますのでご了承ください。
2.粒形状(3タイプ)

表ソフトラバーは、粒の先端がボールに直接接触するため、裏ソフトラバーと比べて粒形状の違いが打球性能に表れやすいという特徴があります。
そのため、粒形状によってナックルの出しやすさや回転性能、コントロール性能などが変化します。
ここでは、代表的な3種類の粒形状と、それぞれの一般的な特徴についてご紹介します。
なお、実際の性能は粒の大きさや粒間隔、シートやスポンジの設計などによっても変化します。本章では、粒形状による一般的な傾向について解説します。
(1)円柱形タイプ

円柱形タイプは、一般的に以下のような特徴があると言われています。
- ナックル系のボールが出しやすい
- 回転がかけにくい
- 繊細なコントロールが求められる
ナックル性のボールやスピードを生かしたプレーを得意とする選手に向いている粒形状です。
(2)台形タイプ

台形タイプは、一般的に以下のような特徴があると言われています。
- ナックル系のボールが出しにくい
- 回転がかけやすい
- コントロールがしやすい
回転をかけた攻撃や安定したラリーを重視する選手に向いている粒形状です。
(3)台形+円柱形タイプ
台形+円柱形タイプは、粒の土台が台形、粒の上部が円柱形になっている粒形状です。そのため、一般的には円柱形タイプと台形タイプの中間的な性質を持っています。

スピードやナックル性能と回転性能のバランスが良く、攻守のバランスを重視する選手に選ばれることが多い粒形状です。
(4)まとめ
ここまでご紹介した粒形状ごとの一般的な特徴をまとめると、以下のとおりです。

粒形状は、ナックル性能や回転性能、コントロール性能に大きく影響します。ただし、実際の打球感は粒の大きさや粒間隔、シート・スポンジの設計などによっても変化するため、粒形状だけで性能が決まるわけではありません。
3.粒の大きさ(粒の直径)
粒の大きさ(粒の直径)も、表ソフトラバーの性能を左右する重要な要素の一つです。
一般的に粒径が大きいほど粒がしっかりしており、打球時に粒が倒れにくくなります。そのため、以下のような特徴があります。

なお、実際の性能は粒の高さや粒形状、粒間隔などとの組み合わせによっても変化します。
4.粒の間隔
粒の間隔(粒密度)も、表ソフトラバーの性能に影響を与える重要な要素です。
一般的に粒の密度が高いほど、打球時にボールと接触する粒が増えるため、以下のような特徴があります。

なお、実際の打球性能は粒形状や粒径、スポンジ・シートの設計などとの組み合わせによっても変化します。
粒の配列(縦目・横目)による違いについては、次章で詳しく解説します。
5.粒の配列(縦目・横目)

表ソフトラバーは、粒の形状や大きさだけでなく、粒の配列(縦目・横目)によっても性質が変化すると言われています。
一般的には、縦目はナックルボールが出しやすく、横目は回転をかけやすいと言われています。
しかし、卓球王国などでは縦目・横目の特徴についてさまざまな見解が紹介されていますが、本記事の調査範囲では、それらを科学的・定量的に検証した研究は確認できませんでした。そのため、現時点では経験則に基づく評価が中心となっています。
また、卓球ではラケットがボールに当たる角度やスイング方向が選手によって微妙に異なるため、粒配列だけで両者の違いを一概に語ることは難しいと考えられます。
さらに、横目配列のラバーであっても、ラケットに貼る向きを約30°回転させることで、実質的に縦目配列として使用することも可能です。このことからも、粒配列だけで性能が決まるわけではなく、粒形状や粒の大きさ、粒の間隔、スポンジ性能など、さまざまな要素が組み合わさってラバーの性質が決まると考えられます。
そのため、本記事では、一般的に言われている特徴を参考としてご紹介します。

ただし、実際の性能は粒配列だけで決まるものではありません。プレースタイルやスイング、さらにラバー全体の設計によって打球感は大きく変わります。そのため、本記事で紹介する特徴は、用具選びの一つの目安として参考にしてください。
6.伊藤美誠選手の使用ラバー(モリストSP:ニッタク)
伊藤美誠選手は、シェークハンドラケットのバック面に表ソフトラバーを使用しています。
ここまでご説明した表ソフトラバーの性質を、伊藤選手が使用する「モリストSP」に当てはめて見てみましょう。

これらの特徴から、回転性能とナックル性能を高いレベルで両立したラバーであることが分かります。また、「台形+円柱形タイプ」と「縦目」の組み合わせにより、回転をかけやすいだけでなく、ナックル性のボールも出しやすい特徴があります。
実際に伊藤美誠選手も、モリストSPについて次のようにコメントしています。
【伊藤美誠選手コメント】
参照元:ニッタクHP
自分でも予測できないくらい、回転がかかったりナックルになったりして、いやらしいボールが出ます。他の表ソフトだと、きれいなボールばかりだったり、ナックルばかりだったりと偏りがちです。しかし、モリストSPは、いろいろな球質を出せるし、出そうとしなくても出てくれるのがすごいですね。
モリストSPは発売以来、多くのトップ選手や愛好者に支持され続けているロングセラーの表ソフトラバーです。卓球王国が発表している売り上げランキングでも、長年にわたり上位にランクインしています。
私自身もモリストSPを使用し、裏面打法でのドライブやチキータ、ブロックなどの使い勝手を検証しました。実際の使用感やメリット・デメリットについては、以下のレビュー記事で詳しく解説しています。
7.まとめ
これまで解説してきた表ソフトラバーの特徴をまとめると、以下のとおりです。
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表ソフトラバーは、裏ソフトラバーと比べると回転性能は控えめですが、相手の回転の影響を受けにくいという特性を活かして戦うラバーです。
そのため、「ナックルボールを多用したい」「回転もある程度かけたい」「コントロールを重視したい」など、自分のプレースタイルに合わせて粒形状を選ぶことが重要です。
今回ご紹介した粒形状ごとの特徴を理解して選択すれば、自分のプレーに合わないラバーを選んでしまう可能性は大きく減らせるでしょう。ぜひ用具選びの参考にしてみてください。
なお、粒形状には「表ソフト」と「粒高ラバー」を区別する基準となる形状比率という指標もありますが、本記事では割愛しています。
以上、表ソフトラバーの粒形状による違いについて解説しました。皆さまのラバー選びの参考になれば幸いです。
【関連記事】
●粒高ラバーに関する記事
●裏面打法で表ソフトラバーを使用してみた
●裏面打法では裏ソフトと表ソフトどちらを使う?






コメント
卓球labという名に相応しくない結論づけだと思います。
縦目と横目の性質の違いについて、自身では差がないと感じるも、世間一般で言われる性質にまとめるとは、labとしては恥ずべきかと。
桜えび様
コメントいただき感謝申し上げます。
確かに、参考事項とはいえ自分が差がないと感じる事項を記載するのは間違っていますね。
ご指摘に従いまして当該箇所は削除いたしました。
不快な思いを感じさせたことにお詫び申し上げます。