1. 裏ソフトラバーとは?
裏ソフトラバーは、現在の卓球で最も広く使用されているラバーです。回転・スピード・コントロールのバランスに優れており、初心者からトップ選手まで幅広いレベルの選手に使用されています。
また、シート全面でボールを捉えるため接触面積が広く、卓球ラバーの中でも回転をかけやすいことが特徴です。そのため、ドライブやサーブなど、回転を活かした現代卓球のプレーに適しています。
ラバー選びに迷った場合は、まず裏ソフトラバーを選ぶと失敗が少ないでしょう。

2. 裏ソフトラバーの種類
ラバーにはさまざまな種類があり、それぞれ弾みや回転性能、扱いやすさが異なります。まずは全体像をつかめるよう、代表的な裏ソフトラバーの特徴を一覧表にまとめました。自分に合ったラバー選びの参考にしてください。
なお、粘着ラバーには中国製以外の製品も存在しますが、本記事では現在主流となっている中国製粘着ラバーとハイテンション粘着ラバーを中心に解説しています。
※以下の内容は各ラバーの一般的な特徴をまとめたものです。実際の性能は製品によって異なる場合があります。

1. 高弾性ラバー・コントロール系ラバー
高弾性ラバーは、安定した打球感と優れたコントロール性能が特徴です。扱いやすさに優れているため、多くの入門用ラバーがこのカテゴリーに含まれています。
なお、高弾性ラバーはもともと初心者向けに開発されたものではありません。1990年代前半頃まではトッププレーヤーも使用する高性能ラバーでしたが、その後テンションラバーなどの高反発ラバーが登場したことで、現在では比較的弾みを抑えたカテゴリーとして位置付けられるようになりました。
現在では、各メーカーから初心者向けにスポンジを柔らかく設計した「コントロール系ラバー」も販売されています。これらは扱いやすさを重視した製品ですが、メーカーによっては高弾性ラバーの一種として分類されることもあります。

高弾性ラバーやコントロール系ラバーは初心者向けというイメージがありますが、実際には上級者やベテランの愛用者も少なくありません。球威だけでなく、コース取りや緩急、タイミングなどを駆使して試合を組み立てるプレースタイルと相性が良いラバーです。
2. ハイテンションラバー
ハイテンションラバーは、高弾性ラバーをベースに発展したラバーです。スポンジやシートにあらかじめ張力(テンション)を持たせることで、ボールを打った際に大きな反発力を生み出せるよう設計されています。
そのため、スピードや飛距離を重視したい選手に人気があります。ボールがよく飛ぶため、中陣からのドライブや引き合いにも対応しやすく、相手の返球が甘くなった場面では自分から積極的に攻撃を仕掛けやすいのも特徴です。

また、テンションラバーは打球時に高い打球音が出やすいことでも知られています。ただし、テンションのかけ方や製造方法はメーカーによって異なるため、「テンションラバー」の定義や性能の傾向には多少の違いがあります。
なお、現在ではトップ選手の多くが何らかのテンション技術を採用したラバーを使用しています。特にスピードで主導権を握りたい選手や、前陣から中陣で積極的に攻撃したい選手と相性の良いカテゴリーの一つといえるでしょう。
3. 中国製粘着ラバー
中国製粘着ラバーは、シート表面の強い粘着性を活かして高い回転量を生み出せるラバーです。ツッツキやストップなどの台上技術を行いやすく、回転量を活かしたプレーを得意としています。

特にドライブでは、スピードよりも回転量を重視したボールを打ちやすいのが特徴です。強い回転をかけたボールは相手コートでバウンドした後に沈むような軌道になりやすく、相手がタイミングを合わせにくくなります。
また、中国製粘着ラバーは見た目以上に回転がかかっていることも多く、相手が回転量を読み違えることでミスを誘える場合があります。スピードで押し切るというよりも、回転量や変化を武器にして得点を重ねていくプレースタイルと相性の良いラバーといえるでしょう。
一方で、中国製粘着ラバーはスポンジやシートが硬めの製品が多く、十分な性能を引き出すにはスイングスピードや技術が求められます。
また、スポンジが硬い製品は重量が重くなる傾向があるため、ラケット全体の重量にも注意が必要です。
なお、粘着ラバー特有の「クセ球」については以下の記事で詳しく解説しています。
4. ハイテンション粘着ラバー
ハイテンション粘着ラバーは、粘着ラバーの回転性能とテンションラバーの反発力を組み合わせたハイブリッドタイプです。近年人気が高まっており、多くのメーカーが製品を展開しています。

現在では世界のトッププレーヤーの間でも使用者が増えており、卓球界で存在感を高めているカテゴリーの一つです。特にバタフライのディグニクス09Cが登場した頃から注目度が高まり、各メーカーが同様のコンセプトを持つ製品を次々と発売するようになりました。
近年はプラスチックボールの採用により、以前より回転がかかりにくくなったと指摘する選手や指導者もいます。そのような環境の中で、回転性能を確保しながら十分なボールスピードも出せるハイテンション粘着ラバーは、多くの選手から注目を集めています。
また、中国製粘着ラバーと比較すると飛距離が出しやすく、テンションラバーからの移行もしやすい傾向があります。そのため、回転とスピードを高いレベルで両立したい選手や、テンションラバーからステップアップを目指す選手にも人気があります。
なお、中国製粘着ラバーほどではありませんが、製品によっては粘着特有のクセ球が出るものもあります。回転量だけでなく、相手のミスを誘いやすい変化を武器にできる点も魅力の一つです。
5. 初心者でも極端に弾まないラバーはおすすめしない理由
以前は「初心者はとにかく弾まないラバーがよい」と言われることもありました。しかし、現在はその考え方が必ずしも当てはまるとは限りません。
その理由の一つが、プラスチックボールの普及です。セルロイドボール時代と比べて回転量が出にくくなったといわれており、極端に弾まないラバーでは十分な回転や球威を出しにくい場合があります。
また、近年はラバー性能が大きく進化しています。初心者向けラバーでもコントロール性能を維持しながら適度な反発力を備えた製品が増えており、以前ほど「弾まないこと」を重視する必要はなくなりました。
もちろん、いきなり上級者向けの高性能ラバーを選ぶ必要はありません。初心者向けラバーを選ぶ際も、「弾まないこと」だけを重視するのではなく、適度な反発力とのバランスを意識するとよいでしょう。
6. まとめ
裏ソフトラバーは、現在の卓球で最も広く使用されているラバーです。しかし、一口に裏ソフトラバーといっても、高弾性ラバー・ハイテンションラバー・中国製粘着ラバー・ハイテンション粘着ラバーなど、それぞれに異なる特徴があります。
大切なのは、「どのラバーが最も優れているか」ではなく、「自分のプレースタイルやレベルに合っているか」です。
安定性や扱いやすさを重視するなら高弾性ラバー、スピードを求めるならハイテンションラバー、回転量を武器にしたいなら中国製粘着ラバー、回転とスピードの両立を目指すならハイテンション粘着ラバーが候補になるでしょう。
皆さまのラバー選びの参考になれば幸いです。
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