1.はじめに
卓球は、気軽に始めることが出来る代表的なスポーツです。その反面、非常に奥が深いスポーツだと言えます。その要素の一つとして用具のバリエーションの豊富さがあります。
卓球用具は、プロが使用するような高性能な用具から、初心者の方におすすめのエントリーモデルまで何百種類(何千種類?)もの用具が揃っています。
用具選びは、初心者の方にとって非常に難しいと言えます。もし、卓球専門店が近隣にある場合は、初心者向けのリーズナブルで使いやすい道具を案内してくれるので、まずは足を運んでほしいと思います。
とはいえ、ある程度の用具に関する知識を持つことは、上達の近道であるとも言えます。
という訳で、今回は用具選びにおいて数々の後悔や失敗を重ねてきた私自身の経験を踏まえ、良くある失敗例を挙げながら用具の選び方のコツをご紹介します。
2.ラケット重すぎ
※上の画像は、ペンホルダーラケットしては、重い部類に入る182g
失敗例として一番先に挙げたいのが、ラケットが重すぎることです。
重いラケットが悪いわけではなくメリットもたくさんあるのですが、初心者の方が、いきなり重いラケットを使ってしまうとデメリットの方が大きいのです。
重いラケットのほうがボールに威力が出るようなイメージがありますが、筋力が不足していたり、正しいフォームができていないとスイングスピードが遅くなり、かえってボールの威力は落ちてしまうのです。
ラケット重量については、別の記事で詳しくご説明していますので、興味のある方はご覧ください。
3.ボールが飛びすぎ(弾みすぎ)
卓球という球技は、遠くに飛ばすことが目的ではありません。限られた範囲の相手コートに確実に打球を入れることが要求されます。
初心者の方が上達するためには、「ボールを擦る感覚」「ボールをしっかり捉える感覚」を磨くことが大切です。
よって、いきなり飛びすぎる用具を使うことは、まずは身に着けるべき感覚を磨くためには遠回りとなる危険性があります。
例えば、『弾む高性能ラケット』と『弾む高性能ラバー』を組み合わせると、強いインパクトを加えると凄まじい威力のボールを打つことが可能になります。ですが、扱いが非常に難しく一般的な市民プレーヤーでは、使いこなすのは至難の業なのです。
一般的に言うと、「弾むラケット」×「弾みを抑えたラケット」や「弾みを抑えたラケット」×「弾むラバー」というように、どちらかの用具の弾みを抑えることにより、適度に弾むような調整をすることが多いです。
ラケット・ラバーの組み合わせについては、別の記事で詳しくご説明していますので、興味のある方はご覧ください。
4.ビギナーラケットを使い続ける
これは、私の失敗ではないのですが時々見かけるのでご紹介します。
ビギナー用のラケット・ラバーはどちらかというと弾みを抑えた用具です。打球感覚を磨くうえで良い選択と言えます。
ビギナー用の用具で練習を重ね、ある程度の打球感覚を感じられるようになってから、消耗品であるラバーだけを高性能ラバーに交換して、ラケットはそのまま何年も使い続けているケースを見かけます。
決してダメという訳ではないのですが、弾みを抑えたビギナーラケットに、高性能ラバーを貼ると、せっかくの高性能ラバーの性能が活かせない場合があるのです。
一例として、私はフォア面のラバーに「グレイザー09C(バタフライ)」を使用しています。ラバー硬度は硬めの部類に入る「硬度42」(バタフライ計測値)なのですが、弾まないラケットに使用すると、フラットにボールを打った際やぶつけ気味に打つスピードドライブの威力が明らかに物足りなくなります。
その場合は、もう少し厚みのあるラケットか特殊素材入りのラケット等で弾みを補強する必要が出てくるのです。
こういった場合は、使用するラバーの硬さも関係してきます。ラバーの硬さについては、別の記事で詳しくご説明していますので、興味のある方はご覧ください。
5.ラケット削りすぎ
これは、ペンホルダーラケットを使う方に注意してほしいです。
手になじむようにラケットのグリップを自宅で削り、実際に卓球場でプレーしてみると「やっちまった!削りすぎだ。どうしよう!」とついつい削りすぎてしまうことが良くあります。(ペンホルダーの方はあるあるだと思います・・・)
ラケットは、削りすぎると元に戻せないので、「少し削って」、「実際に打って」を繰り返して少しずつ仕上げるのがおすすめです。
ラケットの削り方については、別の記事で詳しくご説明していますので、興味のある方はご覧ください。
6.初めてのラバーが特殊過ぎ
個人的には、ビギナーの方は回転をかけやすい「裏ソフト」ラバーを使用して、打球感覚を磨くのが上達の早道だと思います。
例外として、経験のある指導者が、プレーヤーの特質を考えた上で、表ソフトラバーや粒高ラバーを使わせる場合があります。
その場合は、指導者が表ソフトラバーや粒高ラバーの使い方や戦い方を熟知していて、適切な技術指導ができる場合のはずです。
7.ラバーが厚すぎ
最後に、ラバーの厚さの選択に触れておきたいと思います。
ラバーの厚さはルールによって定められています。厚さの表記方法は、メーカーによって様々ですが、一例としてバタフライの表記方法を挙げます。
・MAX3.8~4mm未満(シートを含む)
・トクアツ1.9~2.2mm
・アツ1.7~1.9mm
・中1.5~1.7mm
・ウス1.1~1.3mm
・ゴクウス0.8~1.1mm
・超極薄0.4~0.7mm
厚さだけで、7種類もあります。そして、一般的には厚いほどスピードがでて、薄いほどコントロールがしやすくなると言われています。
初心者の方が、いきなりMAXやトクアツラバーを使用するのは、ダメだとは言いませんが、まずは打球感覚を掴むのが大事な時期に使用するのは、上達のためには少し回り道かもしれません。
ラバーの厚さについては、別の記事で詳しくご説明していますので、興味のある方はご覧ください。
8.まとめ
いかがだったでしょうか?卓球用具の世界は非常に奥が深く、ラケットの性能はもとより、ラバーについては、「ラバー硬度」「ラバーの厚さ」などの要素が加わり、組み合わせは無限と言えるほど存在します。
ですが、基本的な「やってはダメな事例」を知っておけば、大きな失敗はなくせると思い、今回の記事を書きました。
みなさまの参考になれば幸いです。
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