1.はじめに
卓球は、気軽に始めることができる一方、非常に奥が深いスポーツです。その理由の一つが、ラケットやラバーをはじめとする豊富な用具の種類にあります。
卓球用具には、プロが使用するような高性能なモデルから、初心者の方におすすめのエントリーモデルまで、非常に多くの選択肢があります。
そのため、初心者の方にとって用具選びは簡単ではありません。もし近くに卓球専門店がある場合は、初心者向けのリーズナブルで使いやすい用具を案内してもらえるので、まずは足を運んでみることをおすすめします。
一方で、ある程度の用具に関する知識を身につけておくことも、上達や用具選びの失敗を防ぐうえで役立ちます。
そこで今回は、用具選びで数々の後悔や失敗を重ねてきた私自身の経験を踏まえ、初心者から中級者まで知っておきたい「よくある失敗例」を挙げながら、ラケット・ラバー選びのポイントをご紹介します。

2.ラケット重すぎ

失敗例としてまず挙げたいのが、ラケットが重すぎることです。
重いラケットにはメリットもありますが、初心者の方が、自分の筋力や技術に合わない重いラケットをいきなり使うと、デメリットの方が大きくなる場合があります。
「重いラケットのほうが威力のあるボールを打てそう」と考えがちですが、筋力が不足していたり、正しいフォームが身についていなかったりすると、スイングスピードが低下し、かえってボールの威力が落ちることがあります。
ラケットは、単純に重ければ良いというものではありません。自分が無理なく振り切れる重量を選ぶことが大切です。
ラケット重量については、別の記事で詳しくご説明していますので、興味のある方はご覧ください。
3.ボールが飛びすぎ(弾みすぎ)
卓球という球技は、遠くに飛ばすことが目的ではありません。限られた範囲の相手コートに、狙った打球を入れることが求められます。
特に初心者の方が上達するためには、「ボールを擦る感覚」や「ボールをしっかり捉える感覚」を身につけることが大切です。
そのため、いきなり弾みすぎる用具を使うと、こうした基本的な打球感覚を身につけるうえで遠回りになる可能性があります。
例えば、「弾む高性能ラケット」と「弾む高性能ラバー」を組み合わせれば、強いインパクトで非常に威力のあるボールを打つことができます。しかし、弾みをコントロールする技術も必要になるため、一般的な市民プレーヤーにとっては扱いが難しくなる場合があります。
そこで、「弾むラケット」×「弾みを抑えたラバー」や、「弾みを抑えたラケット」×「弾むラバー」のように、ラケットとラバーのどちらかで弾みを抑え、全体のバランスを調整するという考え方があります。
これは初心者に限らず、用具をステップアップするときにも大切な考え方です。「高性能な用具を組み合わせれば良い」と考えず、自分がコントロールできる弾みかどうかを考えることが大切です。
ラケット・ラバーの組み合わせについては、別の記事で詳しくご説明していますので、興味のある方はご覧ください。
4.ビギナーラケットを使い続ける
これは私自身の失敗ではありませんが、時々見かけるケースなのでご紹介します。
ビギナー用のラケット・ラバーは、比較的弾みを抑えた設計になっているものが多く、打球感覚を身につけるには良い選択です。
一方で、ある程度上達した後も、消耗品であるラバーだけを高性能なものに交換し、ラケットは何年もそのまま使い続けているケースがあります。
もちろん、それ自体が悪いわけではありません。ただし、弾みを抑えたビギナーラケットに高性能ラバーを組み合わせると、ラバー本来の性能を十分に活かせない場合があります。
例えば私は、フォア面に「グレイザー09C(バタフライ)」を使用しています。ラバー硬度は硬めの部類に入る「硬度42」(バタフライ計測値)ですが、弾みの弱いラケットに組み合わせると、フラット打ちや、ぶつけ気味に打つスピードドライブでは、威力が物足りなく感じることがあります。
そのような場合は、もう少し弾みのあるラケットや特殊素材入りのラケットなどを選び、ラバーとのバランスを調整する方法があります。
ラケットとラバーの組み合わせを考える際には、ラバーの硬さも重要な要素です。ラバーの硬さについては、別の記事で詳しくご説明していますので、興味のある方はご覧ください。
5.ラケット削りすぎ

これは、ペンホルダーラケットを使う方に特に注意してほしい失敗です。
手になじむようにグリップを自分で削っていると、「もう少し削ったほうが握りやすそう」と、ついつい削りすぎてしまうことがあります。
ラケットは削りすぎると元には戻せません。そのため、「少し削って、実際に打ってみる」を繰り返しながら、少しずつ仕上げるのがおすすめです。
ラケットの削り方については、別の記事で詳しくご説明していますので、興味のある方はご覧ください。
6.初めてのラバーが特殊すぎる
個人的には、ビギナーの方は、回転をかけやすい「裏ソフト」ラバーを使用して、まずは基本的な打球感覚を磨くのが上達の早道だと思います。
ただし、例外もあります。経験のある指導者が、プレーヤーの特性を考えたうえで、表ソフトラバーや粒高ラバーを使わせる場合です。
この場合は、指導者自身が、そのラバーの特性や使い方、戦い方を熟知し、適切な技術指導ができることが重要です。
7.ラバーが厚すぎる
ラバーの厚さも、用具選びでは重要なポイントです。
ラバーには「薄」「中」「厚」「特厚」「MAX」など、さまざまな厚さがあります。一般的には、厚いほど弾みやスピードが出やすく、薄いほどコントロールしやすい傾向があります。
そのため、初心者の方がいきなりMAXや特厚のラバーを使用することが悪いわけではありませんが、まずは基本的な打球感覚を身につけることを考えると、厚すぎるラバーは遠回りになる場合があります。
もちろん、ラバーの厚さはプレースタイルや技術レベルによっても変わってきます。自分に合った厚さを選ぶことが大切です。
ラバーの厚さについては、別の記事で詳しくご説明していますので、興味のある方はご覧ください。
8.用具を頻繁に変えすぎる
ある程度卓球を続けていると、「もっと自分に合うラケットやラバーがあるのでは?」と、新しい用具を試したくなることがあります。
新しい用具を試すこと自体は悪いことではありません。しかし、短期間で次々と用具を変更すると、そのたびに新しい用具に慣れるための時間が必要になります。
特に、自分のスイングとボールの飛び方を一致させる「打球感」を磨くには、ある程度の時間が必要です。
試合で思うようなプレーができなかったときほど、「用具を変えれば何とかなる」と考えてしまいがちです。しかし、焦って変更を繰り返すと、技術を安定させる前に、用具に慣れることばかりに練習時間を使ってしまうことがあります。
用具を変更するのであれば、「なぜ変えるのか」「何を改善したいのか」を明確にし、ある程度の期間使い込んでから判断することが大切です。
用具を頻繁に変更することのデメリットや、変更する際に考えておきたいことについては、以下の記事で詳しくご説明しています。
9.ラバーの寿命を軽視している
もう一つ、ベテランの方にも時々見かけるのが、明らかに劣化しているラバーを、長期間使い続けているケースです。
もちろん、ラバーを大切に長く使うことが悪いわけではありません。しかし、ラバーは消耗品なので、使用期間が長くなると、徐々に弾みやグリップ力などの性能が低下していきます。
特に、十分な技術を身につけているプレーヤーの場合、劣化したラバーの性能に合わせて、自分の打ち方や感覚まで変わってしまうことがあります。
その結果、本来ならもっと質の高いボールを打てる技術があるにもかかわらず、性能が落ちたラバーに慣れてしまい、それなりのプレーで落ち着いてしまうのは、少しもったいないことだと思います。
ラバーの交換時期は、使用頻度や保管状態、プレースタイルなどによっても変わります。「まだ使えるか」だけではなく、「本来の性能を発揮できているか」という視点で、定期的にラバーの状態を確認することも大切です。
10.まとめ

ここまで、卓球用具選びで起こりやすい失敗例をご紹介してきました。
卓球用具の世界は非常に奥が深く、ラケットやラバーにはさまざまな性能や特徴があり、組み合わせは無限と言えるほど存在します。
だからこそ、基本的な「よくある失敗例」を知っておくことで、用具選びによる大きな失敗を防ぐことができます。
自分の技術やプレースタイルに合った用具を選び、必要以上に変更せず、ラバーの状態にも気を配りながら使うことが大切です。
この記事が、みなさまの用具選びの参考になれば幸いです。
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