1.はじめに
著者は、中国製の粘着ラバーのヘビーユーザーです。
ですが、ちょうど一年前に試し打ちをした「グレイザー09C(バタフライ)」があまりにも使いやすかったので、不覚にも(?)そのまま約1年の間使い続けていました。
ですが、独特の性能を持つ中国ラバーの魅力に引き戻され、久々に中国製粘着ラバーに戻ることにしたのです。
今回は、中国製粘着ラバーの豊富なアイテム数で定評のあるWRM(ワールドラバーマーケット)で取り扱っている人気の商品のうち、私が試していなかった「木星2ブルースポンジ」を使用した感想について、述べたいと思います。
本記事においては、丸1年間「グレイザー09C(バタフライ)」を使用した私が、WRMの主力の商品と言える「木星2ブルースポンジ」を使ってみてどのように感じたのかをレポートします。
バランス抜群・尖った性能を持たない万人受け
WRMの勝負ラバー。寿命も長い!
粘着ラバーユーザーに試すべきラバー(WRM店長)
参照元:ワールドラバーマーケットHP
https://rubber.ocnk.net/product/2992
2.試用した「木星2ブルースポンジ」について
通常、WRMが販売する中国製粘着ラバーは、何らかの特徴を備えているものをセレクトしています。(例:回転量がとにかくすごい!、粘着だけどスピードが魅力!等)
ですが、今回紹介する「木星2ブルースポンジ」については、「バランス抜群・尖った性能を持たない万人受け」とWRM店長が言い切っているところに興味を持ちました。
なお、「木星2ブルースポンジ」には、ラバー硬度「36°」「39°」と2種類があります。
硬いラバーはどうしも回転性能に偏ってしまう傾向があるので、今回は、ラバー硬度36°を選択しています。今回も、参考程度にお読みいただければと思います。
3.重量測定
ペンホルダープレーヤーである私にとって、ラケットとラバーの重量は最重要課題といっても過言ではありません。まずはラバー重量に関する情報です。
参考までに、個人的に重量を測定した表を以下のとおり示します。
かつて私が愛用した回転特化型の中国製粘着ラバー「アポロ5(38°)」よりは、ラバー硬度が低いこともあり軽めです。テナジーシリーズ・グレイザーシリーズよりは重いと言えるでしょう。
*上記の表は、カット前のラバー重量と面積を計測し、200㎠あたりの換算重量を示しています。
今回のラケット・ラバーの組み合わせは、ペンホルダープレーヤーにとっては、「やや重いラケット」をコンセプトにして構成しています。
【参考:使用用具】
ラケット:パチタンⅡ(ジュイック) ⇒ 75g
ラバー(フォア面):木星2ブルースポンジ(36°)厚さ2.2mm ⇒ 42g
ラバー(バック面):木星2ブルースポンジ(36°)厚さ2.2mm ⇒ 51g
総重量:168g
なお、同一のラバーにもかかわらずバック面のラバーが重いのは、フォア面は親指・人差し指がかかる部分はラバーを貼らないためです。ラバー面積が小さくなるからです。
↓フォア面(グリップ部分を除いて貼り付け)
↓バック面(全面貼り)
なお、今回のレビューでは、フォア面で木星2ブルースポンジ使った場合の使用感になります。バック面(裏面打法)における使用感については、別記事で述べる予定です。
4.使用感
(1)回転量
さすがに、中国製粘着ラバーのだけあって、十分すぎるほどの回転量が出せていると感じました。しっかりとボールがひっかかる印象です。
ループドライブは、安心して打つことができました。
(2)スピード(ドライブ)
中国製の粘着系ラバーとしては、かなり速いスピードドライブが打てると感じました。
グレイザー09Cと比較すると、フォアドライブはやや直線的になるので、最初はネットミスを連発してしまいましたが、慣れれば対応できるレベルです。
よって、高い弧線のドライブが打ちたい方には、個人的にはお勧めしません。
(3)ブロック
今回、かなり好感触だった(2番目に良かった)のがブロックです。
中国製粘着ラバーなので、ブロックに時に飛びすぎないというのは予想していたのですが、ブロックすればしっかり相手コートに入ってくれる安心感があり、安心してラリーに持ち込めると感じました。
(4)中陣ドライブ
中国製粘着ラバーとは思えない威力十分のフォアドライブが打てました。
比較的柔らかめのスポンジなので、台から下がって引き合いになっても、しっかり回転のかかったスピードボールが打てるので、安心感がありました。
(5)カウンタードライブ
今回の試打でもっとも好感触だったのが、カウンタードライブです。軽く合わせるだけで、ボールをしっかりととらえて安定して返球できるので楽でした。私は、カウンターを多用するプレースタイルなので非常にうれしい結果となりました。
(6)癖球について
中国製粘着ラバーが持つ最大の特徴として癖球(くせだま)が出せるということが挙げられます。
今回の「木星2ブルースポンジ」については、スポンジが柔らかい方を選んでいることもあり、相手が嫌がるほどの癖球は出せていないと感じました。
ただし、このラバーは回転をしっかりかけることが出せるラバーなので、もう少し私が「木星2ブルースポンジ」を使いこなして更に回転量が多いプレーが出来れば違う結果になるとも感じました。
※癖球(くせだま)については、別記事で詳しく解説しています。
(7)台上処理
予想外だったのが台上処理です。思いのほか台上における細かいプレーがやりづらく感じました。おそらく私が、台上処理が非常にやり易い硬いスポンジの中国式粘着ラバーを長年使用していたためだと思われます。
しかし、ハイテンションラバーに比べれば台上処理はやり易いので、慣れれば全く問題ないと印象です。
(8)サーブ
さすがは粘着系ラバーです。サーブ時の回転量は十分です。文句なしです。
特に、下回転形のサーブは、低く鋭いサーブが簡単に出せると感じました。
5.まとめ
いかがだったでしょうか?私の感想としては、WRMの説明どおり突出した特徴はないけれども、欠点もみあたらない珍しい中国製粘着ラバーといった印象でした。
そういった性能であるため、丸1年使用したハイテンション効果を持つ粘着性シートを備えた「グレイザー09C(バタフライ)」の使用後でも、大きな違和感なくプレーができたと感じています。
改めて表を見てみるとグレイザー09Cと評価がほとんど変わらないことに自分でも驚いてしまいました。
ハイテンションユーザーの方で、中国製粘着ラバーを一度使ってみたいと考えている方であれば、私であれば「木星2ブルースポンジ」を間違いなくお勧めします。
もし使ってみて、中国製粘着ラバーの独特な性能に興味を持たれたら、もっと尖った性能をもつラバーを試すのが良いかと感じました。
個人的には、「グレイザー09C」より価格がリーズナブルで、性能的にも自分のプレーにフィットしそうですし、耐久性もありそうなので、当面の間は「木星2ブルースポンジ」で練習を続ける予定です。
なお、「木星2ブルースポンジ」をペンホルダーラケットの裏面に貼って、裏面打法にフィットするかも以下の記事でご紹介していますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。
以上、みなさまの参考になれば幸いです。
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