1.はじめに
私は、中国式ペンの裏面に使用するラバーとして、長年「中国製粘着ラバー(極薄タイプ)」を愛用してきました。
極薄ラバーは、裏面打法の打球感覚を身につけるという点では、とても優れたラバーだと感じています。
極薄ラバーの特徴や、裏面打法との相性については、以下の記事で詳しく解説しています。
しかし、裏面打法の技術が向上してくると、極薄ラバーの弱点の一つである「打球スピードの出にくさ」が、徐々に気になるようになってきました。
そこで約3年前、裏面打法用のラバーとして「グレイザー(バタフライ)」を使い始めました。
本記事では、当時使用していた中国製粘着ラバー「アポロ5(超極薄・銀河)」から「グレイザー(バタフライ)」に変更した際の使用感を振り返りながら、その後の裏面打法の技術向上も踏まえて、グレイザーが裏面打法用ラバーとしてどのような特徴を持っていたのかをご紹介します。
2.グレイザーを約2年間使ってみて
当時フォア面に「グレイザー09C(バタフライ)」を使用していたので、球質の違いを生み出す目的で、同シリーズの「グレイザー(バタフライ)」を選択しました。
実際に「グレイザー」を裏面に貼ってみると、極薄ラバーとの違いは歴然でした。
特に、裏面ドライブでボールをしっかり掴み、安定した弧線を描きながら、極薄ラバーよりも速いボールを打てることが印象的でした。
ボールスピードが向上したことで、相手に時間を与えずに攻撃できる場面が増えました。
結果として約2年間使用し、極薄ラバーで裏面打法の基礎を磨いた私にとって、グレイザーは次のステップへ進むきっかけになったラバーでした。
3.ラバー重量
中国式ペンプレーヤーである私は、ラケットとラバーの重量をかなり重視しています。超極薄ラバーからテンション系ラバーに変更して、まず気になったのがラバー重量の増加でした。
私が実際に使用したラバーの重量を以下の表にまとめました。

当然ながら、当時使用していた極薄ラバー「アポロ5(超極薄)」より、グレイザーのほうが重くなります。200cm²換算重量で比較すると、アポロ5の約38gに対して、グレイザーは約47gです。
では、極薄ラバーの大きな魅力である「軽さ」を犠牲にしてまで、グレイザーに変更するメリットはあるのでしょうか?
今回の試打に当たっては、ラケット・ラバーの組み合わせについて「軽量ラケット」を意識して構成することにしました。
4.使用用具について


なお、ブラックバルサ7.0 (TSP)については廃盤になっていますが、同じ仕様のラケットをヴィクタスで販売しています。非常に軽く弾みも良好なラケットです!
結果として、総重量148gという両面に特厚ラバーを貼っているとは思えない軽いラケットに仕上げることができました。
5.使用感
「グレイザー」と「アポロ5(超極薄)」の使用感を比較すると、以下のようになりました。

全体として、「グレイザー」は極薄ラバーよりも回転量は落ちるものの、スピードと安定性に優れているという印象でした。
(1)回転・スピード
「アポロ5(超極薄)」ほどの強烈な回転量はありませんが、十分な回転量があり、裏面ドライブにおいてはボールをしっかり掴んで安定した弧線を描けました。一方、スピードは明らかに向上し、「コントロールできる範囲で速いボールが打てる」という印象でした。
(2)チキータ・台上
極薄ラバー「アポロ5(超極薄)」は、飛びにくいため強くスイングしてもオーバーミスが少なく、さらに粘着シートによって強烈な回転をかけることができます。台上の短い距離でも十分な回転を生み出せるため、相手コートで大きく曲がるチキータは、同レベル程度の相手に対して大きな武器になりました。
しかし、相手のレベルが上がるにつれて、スピード・回転・コースの質も高くなります。すると、こちらが台上で強い回転をかけられる場面が減り、極薄ラバーの「飛ばない・回転がかかる」という特徴が、逆にボールスピードの遅さとして現れるようになりました。
グレイザーでは、中国製粘着ラバー特有の「癖」はほとんどなりましたが、ボールスピードが向上したことで、相手に時間を与えず、ラリーの主導権を握るようなプレーを意識して組み立てられるようになりました。
(3)裏面ドライブ・ブロック
個人的には、「グレイザー」を使用して最も好印象だったのが、台の近くで打つ裏面ドライブでした。
特に下回転を裏面ドライブでインパクトした際に、ボールをグッと掴んでしっかりとボールが上に飛んでくれるのでイメージした弧線が描けるので、ドライブが非常に安定しました。
(4)中陣ドライブ
一方、台から下がって中陣からドライブを打つと、極薄ラバーとのスピード・威力の差がさらに大きく感じられました。この攻撃力の高さは、グレイザーを約2年間使い続けた大きな理由の一つです。
裏面打法がまだ未熟だった頃は、台から下がって中陣で裏面ドライブを打つことなど、とてもできませんでした。しかし、技術が向上するにつれて、中陣から裏面ドライブを打つ機会も徐々に増えていきました。
そうなると、極薄ラバーではスピードや威力に限界を感じるようになりました。一方、「グレイザー」なら、台から下がってドライブを打ってもきれいな弧線を描いてくれるため、自信を持ってスイングできました。
(5)現在の視点から
その後、裏面打法の技術が向上していくにつれて、極薄ラバーは打球感覚を身につけるには非常に適している一方、技術が上がるほど、自分がやりたいプレーの選択肢がラバーの特性によって限定されることに気づきました。
中陣からの裏面ドライブがその一例です。「グレイザー」は、回転とスピードをバランスよく高いレベルで備えているため、前陣だけでなく中陣からのドライブなど、さまざまなプレーに挑戦できることが大きな魅力でした。
癖球については、以下の記事で詳しく解説しています。
6.注意点
「グレイザー」は、高反発のハイテンションラバーです。そのため、裏面打法に初めて挑戦する方には、弾みが強く、打球感覚を身につけるまでに遠回りしてしまう可能性があると、個人的には考えています。
私自身、裏面打法を習得する過程で、弾むラバーを何年も使い続けながら試行錯誤していた時期があります。今振り返ると、打球感覚を身につけるという点では、かなり遠回りだったと感じています。
したがって、打球感覚を身につけたと考える一つの基準としては、バック側の下回転に対して、安定して裏面ドライブを打てるようになってから、弾みの良いラバーに挑戦するのが良いと考えています。
これから裏面打法に挑戦する方は、まず極薄ラバーで打球感覚を磨くことをおすすめします。詳しくは、以下の記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
7.まとめ
私自身の裏面打法とラバー選びの変遷をまとめると、以下のようになります。

極薄ラバーは、裏面打法の打球感覚を身につける段階では非常に有効でした。一方、より上級者と対戦するようになると、打球スピードの遅さが次第に大きな課題となりました。
そこで「グレイザー」を採用し、約2年間、裏面打法でスピードを意識したプレーを続けました。極薄ラバーとは異なる球質でしたが、スピードと安定性を両立できる点に大きなメリットを感じました。
そして現在は、グレイザーのスピードをある程度維持しながら、さらに回転をかけられるラバーを試しています。グレイザーを約2年間使った経験を経て、現在好感触を得ているのが「キョウヒョウ8-80パワー」です。
「キョウヒョウ8-80パワー」の詳しい使用感については、以下の記事で紹介しています。
グレイザーの実売価格については、以下のサイトで確認できます。
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