1.はじめに
裏面打法は練習では打てるのに、試合になるとなかなか使えない。
中国式ペンや裏面打法に挑戦している方なら、一度はそんな悩みを経験したことがあるのではないでしょうか。
私は、王皓(中国)選手のプレーを見て衝撃を受け、約20年前に裏面打法の練習を始めました。しかし、緊迫した試合で自信を持って使えるようになるまでには、約10年かかりました。
当時は仕事が忙しく、練習できるのは月5~6回程度でした。そのため上達には時間がかかりましたが、その試行錯誤の中で「実戦で使えるようになるための練習手順」が少しずつ見えてきました。
裏面打法を練習では打てるけど、試合で使えない理由については、以下の記事で詳しく考察しています。
本記事では、単に裏面打法が打てるようになることではなく、試合で自然に使えるレベルを目標に、私が実践してきた段階的な練習方法をご紹介します。
記事の最後では、私が考える「実戦で最初に取り入れやすい裏面技術」についてもご紹介します。
〇練習テーマ
「ランダム性」を少しずつ増やし、試合で使える裏面打法を身につけること
本記事では、次の3つの場面に分けて練習方法をご紹介します。
1.ラリー編
2.3球目攻撃編
3.レシーブ編
それでは、ラリー練習から順番に見ていきましょう。
2.ラリー編

ステップ1(1コース練習)
目的:コースを限定し、裏面打法の基本フォームを安定させる。(20~30回程度ラリーが続くことを目安にしましょう。)
練習コースは一つに偏らせず、フォア・ミドル・バックをバランスよく取り入れましょう。
特に、③のバック対フォアは距離が短く難易度が上がりますが、実戦ではこのコースへ打つ場面が多いため、早い段階から取り入れることをおすすめします。
将来的に、バックハンドからフォアサイドへの攻撃は、強力な武器になってくれます。


ステップ2(切り替え練習)
目的:決められたコースでフォアハンドと裏面打法の切り替えが出来るようになる。
シンプルな練習ですが、実戦で必要になる切り替え動作の土台を作る練習です。
下図のように相手にバックサイドとフォアサイドへ1球ずつ返球してもらいます。自分は決められたコース(フォアサイド・バックサイド)へ打ち返します。
相手への返球は、バックサイドだけでなくフォアサイドも意識しましょう。将来的に、バックハンドからフォアサイドへ攻撃できるようになると、大きな武器になります。



ステップ3(切り替え練習・応用①)
目的:フォアハンドと裏面打法の切り替えに少しだけランダム性を加え、対応力を鍛える。
一気に難易度は上がります。
ステップ2では、フォアとバックを交互に1本ずつ打っていました。ステップ3では、同じコースに2本まで返球できるルールに変更し、少しだけランダム性を加えます。
※このあたりから、練習相手の技量によって練習の質が大きく変わってきます。
この練習の目的は、打球後に毎回『ニュートラル姿勢』へ戻る習慣を身につけることです。どちらのコースに返球されても対応できる構えを身体に覚え込ませましょう。
※『ニュートラル姿勢』:次にどのコースへ返球されても対応できる基本姿勢。



ステップ4(切り替え練習・応用②)
目的:フォアハンドと裏面打法の切り替えにミドルコースを追加し、対応力を更に鍛える。
小さいフットワークによる切り替え練習です。
練習方法は、「ミドル→フォア(またはバック)→ミドル」の3球を1セットとして行います。



※各パターンの練習方法やフットワークのポイントは、以下の記事で大きな画像を使って詳しく解説しています。
ミドルコースはフォアハンド・裏面バックハンドのどちらで処理しても構いません。裏面打法の弱点になりやすいミドル処理を効率よく鍛えることができます。
フォア・バック・ミドルへと少しずつランダム性を増やしていくことが、試合で自然に使える裏面打法を身につける近道です。
3.裏面3球目攻撃編

ステップ1(サーブの選択)
目的:自分が普段使うサーブから裏面3球目攻撃につながるパターンを考える。
例えば、シンプルな下回転サーブを出し、相手に打ちやすいツッツキをバックサイドに送ってもらって3球目裏面ドライブを打つ練習。
基礎練習としては有効ですが、実戦で使えるようになるには、もう一工夫が必要になります。
(1)自分が普段よく使う下回転系・ナックル系サーブを挙げてみます。横回転系サーブはレシーブの球足が速くなり、裏面3球目攻撃の難易度が一気に上がるためです。
(2)そのサーブをどのコースへ出すと、バックサイドへレシーブされやすいかを考えてみます。
相手によってレシーブは変わりますが、自分のサーブの中でバックサイドへ返球されやすいパターンがあるはずです。まずは、それを改めて自分の中で整理することが実戦で使える裏面3球目攻撃への第一歩です。
ステップ2(得意パターンを見つける)
目的:実際に裏面を用いた3球目攻撃につながるパターンを見つける
ステップ1で考えたサーブを使い、相手にはバックサイド限定でレシーブしてもらい、裏面による3球目攻撃を行います。
裏面打法はフォアハンドより打球できる範囲が狭いため、相手のレシーブがバウンド後にどの方向へ変化するかを意識しながら練習しましょう。
順横回転系はフォア側へ、逆横回転系はバック側へ変化しやすいため、最初は回転の影響を読みながら打球することが大切です。(右利きの場合)
ちなみに私の場合は、相手のバックミドル前に短いYGサーブ(逆横系下回転サーブ)を出した後の、裏面打法による3球目攻撃を得意としています。(右利き対右利きの場合)
パターンが見つかったら、あとは反復練習あるのみです。試合で自然に使えるまで繰り返し練習しましょう。
ステップ3(攻撃エリアの拡大)
目的:裏面攻撃の攻撃可能エリアを広げる。
ステップ2とほぼ同じ練習ですが、レシーブをバックサイド半面全体へ送ってもらい、裏面による3球目攻撃を行います。
ミドルコースまで裏面攻撃できるようになると、攻撃のバリエーションが増え、相手の意表を突きやすくなります。
ステップ4(応用編)
目的:3球目裏面攻撃にランダム性を加え、実戦での対応力を高める。
自分のサーブを5球1セットとし、そのうち2~3球はフォアサイドへ返球してもらいます。
ほぼ実戦に近い練習です。
裏面打法はフォアハンドより打球範囲が狭いため、フォアハンドを意識して待つと切り替えが遅れやすくなります。一方、裏面打法を意識して構えれば、フォア側へ来たボールには比較的余裕を持って対応できます。
このように、少しずつランダム性を加えながら練習することで、3球目でも自然に裏面打法を使えるようになります。
4.裏面レシーブ(裏面チキータ)編

最後は、裏面レシーブ(裏面チキータ)です。
個人的には、今回紹介する技術の中で最も実戦に取り入れやすく、試合でも使いやすい技術だと考えています。
ステップ1(下回転の処理)
目的:台上の下回転サーブを擦って持ち上げる感覚を身につける。
相手にバックサイド半面へ、下回転系の短いサーブ(ショートサーブ)を出してもらいます。
ステップ2(下回転の処理・応用)
目的:裏面チキータでレシーブできる範囲を広げる。
ステップ1で感覚をつかんだら、フォア前へのショートサーブにも挑戦します。
最初は難しく感じますが、レシーブできる範囲が広がることで、実戦で裏面チキータを使える場面も増えていきます。
ステップ3(横回転の処理)
目的:横回転系サーブも裏面打法で安定してレシーブできるようになる。
横回転系サーブも裏面打法でレシーブしてみましょう。
横回転系サーブは難しそうに感じますが、慣れると裏面打法の方が処理しやすい場面も多くあります。
私自身も以前は横回転系サーブのレシーブが苦手でした。しかし、裏面チキータを取り入れてからは得意なレシーブになり、試合での勝率も大きく向上しました。
5.まとめ(最初に使える技術)
ラリー編、3球目攻撃編、レシーブ編の3つに分けて、実戦で使える裏面打法の練習方法をご紹介しました。
実戦で最初に取り入れやすい技術は、「裏面チキータレシーブ」です。
なぜなら、レシーブはある程度コースを予測しやすく、特に下回転系ショートサーブは球速が遅いため、タイミングを合わせやすいからです。
3球目攻撃やラリーよりもランダム性が少なく、実戦でも取り入れやすいため、最初に習得する技術としておすすめです。
裏面打法は、いきなり実戦で使える技術ではありません。ラリー・3球目攻撃・レシーブと、少しずつランダム性を増やしながら練習することで、試合でも自然に使える技術へと成長していきます。
私は、裏面打法を習得するのであれば、中国式ペンの使用をおすすめしています。
理由については、別の記事【卓球】裏面打法「日本式ペン」vs「中国式ペン」vs「反転式ペン」をご覧ください。
これからも、裏面打法に関する情報を発信する予定です。
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