1.はじめに
卓球ラケットは、近年価格帯が全体的に上昇しています。
特に特殊素材入りラケットでは、2万円〜3万円を超える製品も珍しくありません。
一方で、
- 「平均的なラケット価格はどのくらいなのか?」
- 「メーカーごとに価格差はあるのか?」
と気になる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、主要卓球メーカー9社が2026年度版カタログ等で掲載しているシェークハンドラケットを対象に、
- メーカー別平均価格
- 価格帯の傾向
- 高価格帯ラケットの特徴
について調査しました。
メーカーごとの価格差や特徴を比較しながらご紹介しますので、ラケット選びの参考としてご覧いただければ幸いです。
2.調査に当たっての留意点
(1)調査したメーカーについて
今回は、以下の卓球メーカー9社を対象に調査を行いました。
- バタフライ
- ニッタク
- ヴィクタス
- ヤサカ
- ジュイック
- アンドロ
- スティガ
- ティバー
- ドニック
※ジュイックについては、Dr.Neubauer社製品を取り扱っていますが、今回は対象外としています。
(2)価格について
調査に当たっては、各メーカー公式HPおよびデジタルカタログに掲載されている定価を集計しています。
実際の販売価格は、店舗や通販サイト等で割引されている場合があります。
(3)調査対象ラケット
今回の調査では、ラージボール用などの特殊ラケットを除外しています。
また、本記事のデータはインターネット上の公開情報をもとに個人で集計したものです。集計時期や情報更新の関係により、細かな誤差等が含まれる場合があります。
※2026年4月末時点データ
3.メーカー別の価格帯(日本メーカー)
(1)バタフライ
まずは、卓球メーカーのプライスリーダーと言えるバタフライです。世界的に高い人気を誇る卓球メーカーです。
製品数:42本
平均価格:19,865円

みなさまも予想通りの結果でしょうか。シェークハンドラケットのメーカー別平均価格は、バタフライが最高額となりました。
全体の約64%が15,000円以上の価格帯となっており、高価格帯のラインナップが充実しています。一方で、8,000円未満の価格帯も一定数存在しており、初心者向けモデルも展開されています。
また、15,000円~20,000円帯の製品が多い一方で、8,000円未満の入門向けモデルも同数ラインナップされており、全体としてバランスの取れた構成と言えるでしょう。
バタフライは、特殊素材入りラケットのラインナップが豊富であることもあり、平均価格が高くなる要因の一つと考えられます。
特殊素材に関する記事はこちら。
(2)ニッタク
続きまして、ニッタクです。ニッタクは、安定した品質に定評のあるメーカーです。
また、ニッタクは中国メーカー「紅双喜(DHS)」の日本総代理店として、キョウヒョウシリーズなど中国製ラケット・ラバーも多数展開しています。
製品数:54本
平均価格:17,525円

ニッタクは、2年前と比較すると約10%値上がりしています。
個人的には、安価で高品質なイメージがあったニッタクですが、今回比較した9社の中では、平均価格が3番目に高いメーカーとなりました。
これは、20,000円以上の商品数が2024年の13本から2026年には20本へ増加しており、高性能モデルのラインナップを強化していることが背景にあると考えられます。
一方で、8,000円未満の商品も14本(約26%)ラインナップされています。
ビギナー向けモデルも充実していることから、初心者でも選びやすいメーカーと言えるでしょう。
(3)ヴィクタス
続きまして、TSPと合併したヴィクタスです。ヴィクタスも日本国内ではかなり製品が流通しているメーカーと言えるでしょう。
製品数:68本
平均価格:13,608円

製品数は68本と、今回比較したメーカーの中では最多となりました。
理由としては、2020年にTSP社と合併し、製品の多くを継承していることが背景にあると考えられます。また、2年前の調査時(54本)と比較しても、さらにラインナップが増加しています。
平均価格は、バタフライと比較すると約6,000円低い結果となりました。
これは、中級者向けといえる8,000円~15,000円の価格帯が約46%を占めていることが要因の一つです。
ヴィクタスについては、木材のみのラケットにも高品質な製品が多く、個人的にも好印象のメーカーです。
(4)ジュイック
続きまして、ジュイックです。
なお、ジュイックは、Dr.Neubauerの製品も扱っているのですが、Dr.Neubauer のラケットは高額な製品が多く、日本国内におけるシェアも少ないと判断し調査対象から除いています。
製品数:9本
平均価格:16,072円

製品数は9本と、今回比較したメーカーの中では少数でした。全体的に価格は控えめですが、比較的高価格帯である特殊素材ラケット「チタニウム」シリーズが4本ラインナップされており、平均価格を押し上げています。
また、2018年以降は『卓球グッズ』で新商品の広告掲載が確認できませんでした。
(5)ヤサカ
続きまして、ヤサカです。ヤサカと言えば、中高年世代のプレーヤーにとっては、定番ラバー「マークⅤ」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
製品数:29本
平均価格:10,746円

今回の調査では、ヤサカが最も平均価格の低いメーカーとなりました。バタフライと比較すると、平均価格は約9,000円低い結果となっています。
全体的に高価格帯のラケットは少なく、比較的手に取りやすい価格帯のラインナップが中心です。
なお、最高額のラケットは、高級木材「桧」を使用した3枚合板ラケット「政宗(22,000円)」でした。
4.メーカー別の価格帯(海外メーカー)
ここからは、海外のメーカー4社についてご紹介します。
(6)アンドロ(ドイツ)
続きまして、ドイツメーカーのアンドロです。デザインがスタイリッシュで、競技志向の強いメーカーというイメージがあります。また、『和の極』という仕上げが非常に美しい日本製のラケットも発売しています。
製品数:21本
平均価格:15,520円

最多の価格帯は、15,000円~20,000円の価格帯でした。これは、中〜上級者向けモデルが多いアンドロの特徴が表れていると言えるでしょう。
契約選手であるフランスのファンタジスタ、ゴズィー選手の華麗なプレースタイルも、アンドロのスタイリッシュなブランドイメージと重なります。
(7)スティガ(スウェーデン)
続きまして、スウェーデンの老舗メーカー「STIGA」です。木材ラケットの名門として知られており、近年ではモーレゴード選手が使用する「サイバーシェープ」シリーズでも注目を集めています。
製品数:37本
平均価格:19,351円

今回の調査では、スティガはバタフライに次いで2番目に平均価格が高いメーカーとなりました。これは、サイバーシェープシリーズをはじめ、30,000円以上の高価格帯カーボンラケットが充実していることが背景にあると考えられます。
また、8,000円~15,000円の価格帯が約35%を占めており、中級者向けモデルが充実している点も特徴です。
海外メーカーの中では、日本国内でも比較的知名度の高いメーカーと言えるでしょう。
(8)ティバー(ドイツ)
続きまして、ドイツメーカーのティバー(TIBHAR)です。ルブラン兄弟をはじめとするトップ選手のサポートでも知られており、競技志向の強いメーカーという印象があります。
製品数:39本
平均価格:17,713円

今回の調査では、ティバーは3番目に平均価格が高いメーカーとなりました。これは、ルブラン兄弟モデルをはじめとした25,000円~30,000円帯の高価格カーボンラケットが充実していることが要因の一つと考えられます。
また、8,000円~15,000円の価格帯が約26%を占めており、中級者向けモデルも充実しています。
さらに、ティバーは高級木材「桧」を使用した単板日本式ペン「イェーガー(38,500円)」も発売しています。こうした製品展開から、日本市場も意識していることがうかがえます。
(9)ドニック(ドイツ)
最後は、ドイツメーカーのDONICです。ワルドナー選手やパーソン選手といったスウェーデン黄金世代をサポートしていたことで知られ、卓球ファンには馴染み深いメーカーではないでしょうか。
製品数:37本
平均価格:13,604円

今回の調査では、ドニックは2番目に平均価格が低いメーカーとなりました。
これは、8,000円~15,000円帯の中級者層向けのラケットが約51%(19本)と半数以上を占めているためです。
一方で、中国では絶大な人気を誇るスーパースター・張継科氏と契約し、高級カーボンラケットを展開するなど、意欲的な面も見せています。
ドニックは、歴史と実績を兼ね備えたヨーロッパ卓球を代表するメーカーと言えるでしょう。
5.全体の平均価格と傾向
最後に、調査対象全体の平均価格です。
製品数:336本
平均価格:16,066円

調査の結果、最も多かった価格帯は、8,000円~15,000円帯のラケットで全体で約35%でした。
平均価格からもわかるとおり、16,000円前後のラケットが平均的な価格と言えます。
ちなみに、今回の調査対象の中で最も高額だったのは、ニッタクが中国メーカー「紅双喜(DHS)」の日本総代理店として販売しているキョウヒョウシリーズ(44,000円)でした。
これらのラケットは、中国卓球界を代表する選手である馬龍選手、王楚欽選手、孫頴莎選手の使用モデルをベースに開発されています。
※気になる方は、実際の販売価格もチェックしてみてください。
6.まとめ
まずは、これまでの結果を下表のとおりまとめましたのでご覧ください。

今回の調査では、メーカーごとに価格帯の特徴が大きく異なることが分かりました。
特に、バタフライやスティガなどは30,000円以上の高価格帯カーボンラケットのラインナップが充実しており、平均価格を押し上げる要因となっています。
「素材ラケット」に使用される特殊素材は特許の関係で、一枚だけでも数千円する場合があるため、価格が高くなる傾向があります。
一方で、ヤサカやドニックなどは8,000円~15,000円帯の製品が多く、比較的手に取りやすい価格帯を中心としたラインナップ構成となっていました。
また、ニッタクやヴィクタスのように、中〜高価格帯を強化しながらも初心者向けモデルも展開しているメーカーもあり、各社の方向性の違いが見えてきたのも興味深い点です。
また、2年前の調査結果と比較すると、多くのメーカーで価格上昇傾向が見られました。特に高価格帯カーボンラケットの増加が、平均価格上昇の要因の一つと考えられます。
なお、本記事の価格は各メーカーの定価を基準としているため、実際の販売価格はショップや通販サイトによって異なります。
ラケットは長期間使用する用具であり、自分に合った一本に出会えれば長く付き合うことができます。価格だけでなく、プレースタイルや使用感も含めて選ぶことが大切でしょう。
今回はシェークハンドラケットを中心に調査しましたが、ペンホルダーラケットについても別記事でまとめています。興味のある方は、ぜひこちらもご覧ください。








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