1.はじめに
みなさんは、ラージボールをやったことはありますか?卓球をしない方は、「そもそもラージボールって何?」と思われるかもしれません。
そこで、今回は通常の卓球競技とラージボールの違いやおすすめの用具についてお話ししていきたいと思います。
※おすすめのラケット・ラバーに関する内容については、「おすすめラケット3選」 「おすすめラバー4選」をご覧ください。
2.ラージボールとは?
ラージボールの正式名称は、「新卓球」といいます。
「新卓球」で使用するボールが「ラージボール」なのです。ですが、いつしか「新卓球」という正式名称は影を潜め「ラージボール」が競技自体を呼ぶ通称となっているのです。
※1:本記事では、通称である「ラージボール」を使用します。
※2:通常ルールの卓球競技を「硬式卓球」と表記します。
3.ラージボールが生まれた理由
「硬式卓球」という競技は、以前は「暗い」「ラリーが続かず見ていて面白くない」というイメージが日本国内で持たれていました。(今考えると、暗黒の時代です。)
そういった背景から、打球スピードを落としてラリーが続くようにして、レクレーション色を強めた競技が発案されました。それが「ラージボール」なのです。
4.硬式卓球との違い(用具編)
「ラージボール」と「硬式卓球」のルールは、基本的に同じですが、大きく異なる点があります。順に説明していきます。
(1)ボールが大きい
※一番右側が「ラージボール」
- ボールの直径:44mm(硬式:40mm)
- ボールの重さ:2.2~2.4g(硬式球:2.7g)
- オレンジボールのみ
硬式球と比較して、直径が大きく軽いので、打球スピードが格段に遅くなるので、ラリーが続きます。
(2)使えるラバーが限定的
使用できるラバーは、「表ソフトラバー」のみ。
※「裏ソフトラバー」「粒高ラバー」「一枚ソフトラバー」は使えません。
(3)ネットが高い
ネットの高さ:17.25cm(硬式:15.25cm)
※ネットが高くなるほど、直線的な軌道のボールが打ちにくくなりボールのスピードが遅くなるので、ラリーが続きやすくなります。
(4)卓球台のカラー
卓球台で使用できるカラーに制限がありません。(硬式:ライトブルーかグリーンのみ)
5.硬式との違い(ルール編)
(1)カウント方式
1セット11点、2セット先取制
デュースは、12-12に到達した場合13点を先に取った方が勝ち
(2)促進ルール
ゲーム開始後8分で適用される(硬式:10分)
(3)ユニフォーム
ダブルス・団体戦ともに統一する必要がない
6.ラージボールに適したラケット(おすすめラケット3選)
これまで硬式卓球ルールとの比較をご覧いただいたとおり、とにかく「ラリーが続くよう」にルールが変更されています。
次に、ラケットの選び方とおすすめのラケットについてご紹介します。
(1)弾みが良いラケットがおすすめ
硬式卓球の場合は、飛びすぎるラケットは使い手を選びますが、ラージボールの場合は飛びすぎてコントロールできないという事態にはならないので、しっかりと弾むものを選びましょう。
(2)軽いラケットがおすすめ
ラージボールはラリーが続くようになっています。従って硬式卓球よりラケットをスイングする回数が多くなります。
また、ラージボールの場合はボールが飛びにくいため、全身を使ってスイングすることが多くなります。従って、重いラケットでは体に負担が大きく、スイング後の戻りも遅くなるのでラージボールには軽いラケットが向いていると言えます。
(3)ラージボールに適した用具(おすすめラケット3選)
ラケットについても硬式用のラケットも使用できますが、ここではラージ用に作られたおすすめのラケットをご紹介します。
〇ラージブラスト(ニッタク)
平均重量:82±g(シェークハンド)
平均重量:82±g(ペンホルダー)
軽量なので切り替えしがしやすいラケットです。5枚合板のアウターにカーボン素材が挟まれているので、スイートスポットが広く安心してスイングできます。
※ペンホルダーは、「角型」もあります。
〇バルサラージ(ヴィクタス)
平均重量:78±g(シェークハンド)
平均重量:65±g(ペンホルダー)
このラケットも非常に軽量なので切り替えしがしやすいのが特徴です。バルサ材を使用した5枚合板ににカーボン素材が挟まれており、スイートスポットが広く安心してスイングできます。
〇アルデンテ カーボン LB(ヨーラ)(反転式ペンもあり)
平均重量:90±5g(シェークハンド)
平均重量:82±5g(中国式ペン)
7枚合板に特殊素材が挟まれているのでやや重い印象ですが、ラケットにしなりがありラージボールラケットとしてバランスの良さが感じられます。
7.ラージボールに適した用具(おすすめラバー4選)
続きまして、ラージボールに適したラバーについてご説明します。
(1)軟らかいラバーがおすすめ
何故かというと、軟らかいラバーの方がラージボールを包み込んで弾き返すのでスピードのあるボールが打てるからです。
ラージボールは硬式球より直径が4mm大きいのですが、重さは逆に0.3~0.5g重いのです。従って、ラージボールは硬式球より薄い構造になっています。
結果として、硬いラバーだとラージボールをラケットで打球した際に、かなり変形してしまうので、ボールが飛ばないのです。実際に「グシャ!」と音がします。
(2)厚めのラバーがおすすめ
理由として2点を挙げておきます。
- 厚めの方が、比較的回転がかかりやすい
- ラージボールの変形を緩和し、ボールが飛びやすい
(3)ラージボールに適したラバー(おすすめラバー4選)
現時点で、ラージ用具に最も力を入れているのがニッタクです。そして品質に安心感があります。また、海外メーカーであるヨーラもラージボール用具のラインナップが豊富です。
ここでは、ニッタクとヨーラのラージ用ラバーについて、個人的にお勧めできるラバーをご紹介します。
※スピード、スピンはカタログの記載データです。メーカーごとに基準は異なります。
〇ロイヤルラージ(ニッタク)
スピード:15.0、スピン:14.0
スピードとスピンのバランスが良く、トップ選手も使用しているラバーです。
〇ジュエルラージ(ニッタク)
スピード:14.5、スピン:15.0
スピン性能が優れています。ドライブやツッツキの回転量を求める人向きです。
〇ロイヤルプリンス(ニッタク)
スピード:16.5、スピン:15.5
ニッタク社の最新のラージボール用ラバーです。トッププレーヤー向きにスピード・スピンともに最も高い数値となっています。※トップ選手仕様の用具ですが、硬式卓球のように『弾み過ぎて使えない』ということはないと考えています。
〇アレグロ(ヨーラ)
スピード:10.0、スピン:10.0
このラバーは打球スピードの速さが特徴です。硬式プレーヤーがラージボールに挑戦する場合に、比較的違和感なくプレーが出来るはずです。
今回は割愛しますが、ニッタクはナックルに特化した個性的なラバーも発売しています。
8.さいごに
いかがだったでしょうか?
ラージボールは、以前は年配の方がレクレーションの目的で楽しむ意味合いが強かったのですが、年々愛好者が増加し、年齢の若い硬式卓球の上級者もラージボールを掛け持ちで楽しむケースが増えているように感じています。
ラージボールはとにかくラリーが続き、運動量も多くなるので非常に健康的な競技だと思います。
皆さまもぜひ挑戦してみてください。
以上となります。みなさまの参考になれば幸いです。
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