1.はじめに
卓球を始めるにあたり、最初に選択すべきことがあります。
それは、ラケットのグリップです。
グリップは、特殊なラケットを除くと2種類あり、持ち方が全く異なります。
①『シェークハンドグリップ』
握手するよ うにラケットを握る持ち方
②『ペンホルダーグリップ』
ペンを持つようにラケットを握る持ち方
どちらかのグリップを選択することになるのですが、予め両者の特徴を知っておけば、後から後悔することを防止できるかもしれません。
そこで今回は、2つのグリップについてご紹介します。
2.どちらのグリップが一般的?
実際のところ、どちらにも一長一短があるため「絶対にこちらにしましょう!」ということはありません。
しかしながら、現状として小中学生が卓球を始める場合「シェークハンド」を選ぶ傾向にあります。
なぜなら、ペンホルダーと比較して『シェークハンド』は以下のメリットがあるからです。
・技術の習得が比較的スムーズ
・バックハンドが打ちやすい
また、世界のトップ選手の見てみると「シェークハンド」が大多数を占めており、これらの事実も影響していると考えられます。
【参考】
世界ランク50以内の内訳(2024年2月13日現在)
【男子】
シェークハンド:47名
ペンホルダー :3名
50位内のペンホルダープレーヤーは、以下の3人だけなのです。
6位:フェリックス・ルブラン(フランス)
10位:チウ・ダン(ドイツ)
38位:黄鎮廷(香港)
【女子】
シェークハンド:48名
ペンホルダー :2名
女子についても、50位内のペンホルダープレーヤーは、以下の2人だけです。
34位:シャン・シャオナ(ドイツ)
46位:ニー・シアリエン(ルクセンブルグ)
なお、本記事においては、現在少数派となっているペンホルダーを応援したい気持ちが強いため、ややペンホルダーに偏った内容となっています。なにとぞご容赦ください。
3.グリップの特徴を知ろう
世界トップレベルでは、ペンホルダーはかなりの少数派であることがわかりました。しかしながら、「ペンホルダーが全くダメ!」というわけではありません。
現役では、F・ルブラン(フランス)、チウ・ダン(ドイツ)が、世界ランクトップ10内に位置しており、世界トップレベルです。(※2024年2月16日現在)
また、引退してはいますが、元世界チャンピオンの王皓(ワンハオ)選手(中国)は、裏面打法というバックハンド技術を駆使し、ペンホルダーの可能性を十二分に見せてくれていました。
更には、ペンホルダーは少数派であるため、シェークハンドの選手にとっては経験が少なく、あまり試合で当たらないので、苦手にする傾向もあります。
改めて両者のメリット・デメリットについて一例を挙げてみます。
(1)シェークハンド(メリット・デメリット)
○メリット
・バックハンドがスムーズに打てる
・全般的な技術がまんべんなく使える
○デメリット
・台上処理がやや難しい
・ミドルが弱点
(2)ペンホルダー(メリット・デメリット)
○メリット
・フォアハンドに威力が出しやすい
・台上処理がやりやすい
○デメリット
・バックハンドでボールに回転をかけにくい(最大の弱点)
現在、男子の世界トップレベルで活躍しているF・ルブラン(フランス)、チウ・ダン(ドイツ)は、両者ともバックハンド技術「裏面打法」を駆使することによって、バックハンドを強みと言えるレベルに磨き上げています。
【参考】
ペンホルダーで、世界トップクラスの選手「F・ルブラン(フランス)」は、非常に個性的で魅力的な試合をする選手です。以下の記事で詳しくご紹介していますので、興味のある方は是非ご覧ください。
4.(参考)超個性的なグリップの選手
参考程度に、非常に個性的なグリップで活躍する選手をご紹介します。
その選手は、15歳にしてTリーグに所属する小塩悠菜選手です。(※2024年1月末現在)
彼女は、中国式ペンホルダーラケットを非常の特殊な持ち方をしているのですが、同世代(ユース)においては世界でもトップレベルの実力の持ち主です。
↑上記のような持ち方で、シェークハンドとペンホルダーの中間のようなグリップです。
以下の記事で詳しくご説明していますので、興味のある方は是非ご覧ください。
5.【結論(個人的見解)】
正解はありませんので、あくまで個人的な見解として答えるとしたら、以下のような選び方もあると思います。
・効率的に強くなって、早い段階で結果を出したい方 ⇒ シェークハンド
※もちろん強くなるための努力を怠らないという前提で・・・
・人とは一味違うことをやるのが好きな方 ⇒ ペンホルダー
※少数派というだけで、強みになります。
・どちらでも良いと思う方 ⇒ 両方試してより楽しいと感じた方
なお、市民プレーヤーにはペンホルダー選手も多く、どちらを選んでも間違いなく卓球を楽しめます。
難しく考えすぎずに、自分のフィーリングに任せても問題ないでしょう。
以上となります。みなさまの参考になれば幸いです。
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