1.はじめに
みなさんは「裏面打法」をご存じですか?
「裏面打法」は、ペンホルダープレーヤー限定の技術です。
ペンラケットの場合、一般的にはラケットの表面だけにラバーを貼って使いますが、「裏面打法」はシェークハンドラケット同様、ラケットの両面にラバーを貼り、バックサイドに来たボールを、ラケットの裏面に貼ったラバーで打球する技術です。
※ちなみに、上記のラケット(画像)は所有しているラケット(ペンホルダー・中国式)の裏面です。
もし、あなたがペンホルダープレーヤーであれば一度はチャレンジしてほしい技術です。
2.裏面打法の天才プレーヤー
「裏面打法」は昔からある技術ですが、一人の天才プレーヤーがシェークハンドのバックハンドと遜色のない域にまで「裏面打法」を昇華させました。
その名は、「王晧(わんはお)」(中国)です。
彼は、中国男子チームのトップ選手の一人として活躍しました。
2004年 アテネオリンピック 男子シングルス 準優勝
2008年 北京オリンピック 男子シングルス 準優勝
2009年 世界選手権(横浜)男子シングルス 優勝
2012年 ロンドンオリンピック 男子シングルス 準優勝
王晧選手は、「裏面打法の神さま」と言えるほど、裏面打法の技術が抜きんでており、今後、彼ほど裏面打法を自在に操る選手は現れないかもしれません。
最近では、F・ルブラン選手(フランス)、邱党(チウ・ダン)選手(ドイツ)も、裏面打法を使う世界トップランカーと言えるでしょう。
続いて、「裏面打法」のメリット・デメリットを確認しておきましょう。
3.「裏面打法」のメリット
(1)バックハンドの技術が多彩になる
ペンホルダーの弱点は「バックサイド」です。理由の一つとして、ペンホルダーの表面でバックハンドを打つとボールに回転をかけるのが難しいことが挙げられます。(人間の骨格上の問題です)。
その点、裏面打法の場合は、しっかりと回転をかけることができるので色々な技術・技が出せるようになります。
(2)年齢を重ねてもプレースタイルを変える必要がなくなる
ペンホルダーの弱点は「バックサイド」です。従って、バックサイドに来たボールを処理するために、フットワークを駆使してフォアハンドで打つ場面が多くなります。
フォアハンドの比率が高いと年齢を重ねてくるにつれて俊敏なフットワークが難しくなってくるので、プレースタイルの変更が必要になる時が来ます。
その点、裏面打法が使えれば、プレースタイルの変更をすることなく、ペンホルダーの弱点と言えるバックサイドも克服が可能です。
知り合いに、長年ペンホルダープレーヤーとして地域で活躍していた方いますが、思いどおりにフットワークが出来なくなったため、バックハンドの弱点をカバーすべく、時間をかけてシェークハンドに転向した方もおられます。
(3)チキータができる
(1)で技術が多彩になる申し上げましたが、裏面打法では、「チキータ」という非常に便利な技術が習得できます。以前は、張本智和選手も得意とするように上級者が使用する技術でしたが、今や市民プレーヤーも使う人はたくさんいます。
ちなみに私もごく一般的なペンホルダープレーヤーですが、「チキータ」を試合で頻繁に使います。
※実際の技術を確認したい場合は、Youtubeで「チキータ」で検索すればヒットします。
4.裏面打法のデメリット
(1)ラケットが重くなる
ラバーを両面に2枚貼ることになるので、ラケット重量が重くなります。ただし、ラケットが重くなることについては、一長一短があります。
重すぎるラケットで裏面打法を使い過ぎると手首を痛める可能性があるので、注意が必要です。
重いラケットに関する内容は、以下の記事に詳しくご紹介していますので、興味のある方は是非ご覧ください。
(2)ラバーにかかる費用が2倍になる
仕方がないのですが、ラバーを両面に2枚貼るので、2枚分のお金がかかってしまいます。
(3)ミドルがやや弱点になる
ミドルはシェークハンドプレーヤーの弱点と言えますが、裏面打法を使う選手も同様にミドルが弱点になる傾向があります。
ミドル処理については、以下の記事に詳しくご紹介していますので、興味のある方は是非ご覧ください。
5.おすすめの中国式ペンラケット
ここでは、裏面打法に挑戦するにあたり、個人的におすすめのラケットを1本だけご紹介します。
ブラックバルサ7.0中国式ペン(ヴィクタス)
現在(2024年1月末現在)、私が実際にメインラケットとして使用しているラケットです。
なぜ、ここまで軽いラケットを使っているかというと、裏面打法を重いラケットで練習しすぎて、手首を故障した経験が複数回あるからです。
ラケット:ブラックバルサ7.0 :63g
ラバー(F面):グレイザー09C(特厚):41g
ラバー(B面):グレイザー(特厚):46g
ラケット総重量:150g(←両面特厚ラバーを貼っているとは思えない重量です。)
※フォア面は、指(親指、人差し指)が当たる場所にはラバーを貼っていません。よって、ラバー面積が小さくなるため軽くなっています。
参考までに、以下にショップのリンクを貼っておきますので、興味のある方は価格や性能をご確認ください。
6.おわりに
私としては、メリットのほうが断然大きいと考えています。私は、20年ほど前に裏面打法を取り入れましたが、プレー幅が広がり卓球がさらに楽しくなりました。
個人的には、イチオシの技術なので、当ブログでは「裏面打法」について色々な記事を掲載しています。興味がある方はご覧いただけますと嬉しいです。
以上となります。みなさまの参考になれば幸いです。
https://tabletennis-lab.com/rimentopplayer/
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