1.はじめに
私は、中国式ペンや反転式ペンの裏面に使用するラバーを模索した結果、裏面打法で必要な打球感を効果的に習得するためには「極薄ラバー」が最適であると考え、約10年間使用を継続しました。
そして、裏面打法に必要な打球感をある程度習得し、次なるステップとしてより攻撃力の高くバランスの良いラバーとして「グレイザー(バタフライ)」にたどり着きました。
「グレイザー(バタフライ)」を裏面打法用のラバーとして使用してみた考察について以下の記事で紹介していますので、興味のある方はご覧ください
今回は、中国製粘着ラバーを数多く取り扱っているワールドラバーマーケット(以下:WRM)で、売れ筋商品である中国製粘着ラバー「木星2ブルースポンジ」を裏面打法用のラバーとして使用した感想について、述べたいと思います。
本記事においては、約半年間「グレイザー(バタフライ)」を裏面打法用のラバーとして使用していた私が、「木星2ブルースポンジ」を使ってみてどのように感じたのかをレポートします。
*今回の記事は、裏面打法で使用した場合に特化した感想となりますのでご了知ください。
なお、「木星2ブルースポンジ」をフォア面のラバーとして使用した感想については以下の記事で詳しく書いています。
2.試用した「木星2ブルースポンジ」
通常、WRMが販売する中国製粘着ラバーは、何らかの特徴を備えているものをセレクトしています。(例:回転量がとにかくすごい!粘着だけどスピードが魅力!等)
ですが、今回紹介する「木星2ブルースポンジ」については、「バランス抜群・尖った性能を持たない万人受け」とWRM店長がコメントしています。
バランス抜群・尖った性能を持たない万人受け
WRMの勝負ラバー。寿命も長い!
粘着ラバーユーザーに試すべきラバー(WRM店長)
参照元:ワールドラバーマーケットHP
なお、「木星2ブルースポンジ」には、ラバー硬度36°、39°と2種類がありますが、裏面打法はフォアハンドと比較すると強いインパクトを出すことが難しいため、今回は柔らかい『ラバー硬度36°』を選択しています。
それでは、現在メインで使用している「グレイザー(バタフライ)」と時折比較しながらご紹介しますので、参考程度にお読みいただければと思います。
3.ラバーの重量
中国式ペンの両面にラバーを貼る場合、特に重量に気を付ける必要があります。裏面打法を実戦で使いたいと考えている方は、フォアハンドとバックハンド(裏面打法)の切り替えがしやすい重量になるよう留意することをお勧めします。
ちなみに、私の場合はラケット総重量が165gを超えてくると切り替えがしにくくなると感じます。
参考までに、個人的に重量を測定した表を以下のとおり示します。
かつて私が愛用した回転特化型の中国製粘着ラバー「アポロ5(38°)」よりは、ラバー硬度が低いこともあり軽めです。テナジーシリーズ・グレイザーシリーズよりは重いと言えるでしょう。
上記の表は、カット前のラバー重量と面積を計測し、200㎠あたりの換算重量を示しています。
今回のラケット・ラバーの組み合わせは、ペンホルダープレーヤーにとっては、「やや重いラケット」をコンセプトにして構成しています。
【参考:使用用具】
ラケット:パチタンⅡ(ジュイック) ⇒ 75g
ラバー(フォア面):木星2ブルースポンジ(36°) ⇒ 42g
ラバー(バック面):木星2ブルースポンジ(36°) ⇒ 51g
総重量:168g
*この重量は、私が実戦で扱える上限ギリギリの重量です。
なお、同一のラバーにもかかわらずバック面が重いのは、フォア面は親指・人差し指がかかる部分はラバーを貼らないので、面積が小さくなるためです。
フォア面(グリップ部分を除いて貼り付け)
バック面(全面貼り)
4.使用感
(1)回転量
中国製粘着ラバーは高い回転量が最大の特徴です。このラバーも裏面ドライブ等の回転をかける技術ではしっかりとしたひっかかりがあり、安定したボールが打てると感じました。
(2)ボールスピード
中国製の粘着系ラバーとしては、個人的には及第点のスピードドライブが打てると感じましたが、グレイザーと比較するとさすがに物足りなさを感じました。これは仕方のない点と言えます。
(3)裏面チキータ
個人的に、裏面打法で最も使用頻度が高い技術なので、最重視する項目です。
裏面チキータでボールをインパクトした際に、しっかりとした引っ掛かりがあり、台上で強めにスイングしても飛びすぎないので、安定して裏面チキータを打つことができるので好印象でした。
さすがに、グレイザーと比較するとボールスピードは落ちますが、ある程度のボールスピードは確保できているので個人的には及第点でした。
(4)裏面ドライブ
本記事では、『裏面チキータ⇒台上の処理』、『裏面ドライブ⇒台から出るボールの処理』としていますが、(2)で述べたとおりボールスピードが遅く物足りなさは感じましたが、回転量の多さによりボールがとても曲がるのが印象的でした。
好みによると思いますが、個人的には裏面ドライブに関しては『ボールの威力、ボールスピード』が勝るグレイザーの方が総合的には勝っているように感じました。
(5)裏面ブロック
今回、このラバーで最も良さを感じたのがブロックでした。
中国製粘着ラバーなので、強い反発力はありません。よって、ブロックに時に飛びすぎないので、当てるだけでしっかり相手コートに入ってくれる安心感がありました。
(6)癖球について
中国製粘着ラバーが持つ最大の特徴として癖球(くせだま)が出せる点が挙げられます。
裏面打法においては、しっかりと回転量の多いボールを打つことが出来ましたので、試打に付き合っていただいた方からは、『グレイザーほどのスピードボールではないが、取りにくい(対応しづらい)』という意見もありました。
ですが、この点については、プレーヤーの好みになると思います。
※癖球(くせだま)については、以下の別記事で詳しく解説しています。
5.注意点
「木星2ブルースポンジ(銀河)」をご紹介してきましたが1点注意して頂きたいことがあります。
裏面打法を始めたばかりの方にとっては「木星2ブルースポンジ(銀河)」は、ラバー重量が重く、ある程度の弾みがあるため扱いが難しく感じてしまうことが想定されます。
もし、裏面打法用のラバーとして「木星2ブルースポンジ(銀河)」を使うのであれば、少なくともバックサイドの下回転のツッツキを、安定して裏面ドライブが打てる打球感覚を磨いてから使用することをおすすめします。
当サイトでは、初めて裏面打法にチャレンジすることを検討している方は、まずは極薄ラバーで打球感覚を磨くことが上達への早道だと考えています。
6.まとめ
いかがだったでしょうか?ここでは参考程度に「木星2ブルースポンジ」と「グレイザー」を比較した表を示しますので参考程度にご覧ください。
表を見てみると両者の長所が見て取れます。
ラバーを選ぶ際は、自分がどの技術を優先するかを明確にする必要があります。
「木星2ブルースポンジ」は、中国製粘着ラバーならではの回転量の多さが特徴です。一方「グレイザー」は、全体的に非常にバランスが取れているラバーと言えます。
「木星2ブルースポンジ」については、裏面チキータの安定性、ブロックの安定性が印象的でした。
留意点としては、「木星2ブルースポンジ」のラバー重量はかなり重い部類に入るということが挙げられます。両面とも重いラバーを貼ってしまうとラケット総重量が重くなってしまうのです。
私の場合は、ラケット重量が重くなるほどフォアハンドの威力は増して、ブロックが安定するので良さそうに感じるのですが、実際に試合で使うとフォアハンドとバックハンドの切り替えが遅くなり、ラケット操作性が著しく低下するので、ラケット重量には細心の注意を払っています。
個人的な結論としては、現在においては裏面打法用のラバーとして、全体のバランスを考慮してメインラケットには「グレイザー」を使用しています。
とは言うものの、「木星2ブルースポンジ」の裏面チキータのやり易さやブロックの安定性も捨てがたくサブラケットに貼って、ラケット2本をバックに入れて練習場に行っています。
ボールスピードより、回転量や安定性を重視する方であればフィットするかもしれませんね。
以上となります。みなさまの参考になれば幸いです。
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