1.はじめに
私は、中国式ペンの裏面に使用するラバーを模索した結果、裏面打法の打球感覚を磨き、自信をもって試合でも使用できるようになるには「極薄ラバー」が近道だと考えています。
私自身は、「極薄ラバー」で実戦を重ねながら何年もプレーして、裏面打法の打球感覚をある程度つかめてきた実感があります。
そこで、次のステップとして表ソフトラバーを裏面打法用のラバーとして約1か月練習を重ねた結果、かなり好感触でした。そこで、どのような点が好感触と感じたのかを、みなさまに共有したいと思いますので、参考程度にご覧いただけると幸いです。
2.使用ラバー「モリストSP(ニッタク)」(表ソフトラバー)
今回、裏面打法用に選択した表ソフトラバーは、「モリストSP(ニッタク)」という伊藤美誠選手が、シェークハンドラケットのバック面に使用していることで有名なロングセラーラバーです。
なぜ、このラバーを選択したかについては、別記事で詳しく書いていますので、興味のある方はご覧いただければと思いますが、簡単に言うと、「回転がかけやすく」「ナックルボールも出しやすい」といった矛盾するようなプレーが出来そうだったからです。
ニッタクのホームページにおいては、伊藤美誠選手のラバーへのコメントが掲載されています。
◆伊藤美誠(スターツ)
自分でも予測できないくらい、回転がかかったりナックルになったりして、いやらしいボールが出ます。他の表ソフトだと、きれいなボールばかりだったり、ナックルばかりだったりと偏りがちです。しかし、モリストSPは、いろいろな球質を出せるし、出そうとしなくても出てくれるのがすごいですね。
参照元:ニッタクHP
では、実際に使ってみた結果について述べていきたいと思います。
3.表ソフトを裏面打法で使ってみた
裏面打法を試合で使用する頻度の高い技術は、以下の4つだと考えています。
- 台上裏面チキータレシーブ
- 裏面3球目攻撃(裏面ドライブ)
- 裏面ブロック
- 裏面フラット打ち
では、上記の裏面打法による技術を表ソフトでプレーした感想をお伝えしたいと思います。
ただし、今回使用している「モリストSP(ニッタク)」は、表ソフトラバーの中では比較的回転がかけやすいラバーであることを念頭にお読みください。
(1)台上裏面チキータレシーブ
結論から申し上げますと、チキータレシーブは十分可能です。
表ソフトラバーなので、ボールを薄く擦るドライブは難しいですが、ラケットをボールの対して厚めにしてインパクトすればしっかりと回転をかけることができます。
(2)裏面3球目攻撃(ドライブ)
当初、表ソフトを使うことのデメリットを最も感じた技術が3球目攻撃でした。
なぜなら、下回転系サーブを出してバック側にツッツキレシーブが来ても、3球目裏面ドライブすることが難しいからです。
最初は、解決策が見出せなくて困っていたのですが、3つの手段を使うことにより思いのほか簡単に解決できました。
- 3球目攻撃だけで得点する意識をなくす
- 裏面チキータレシーブのイメージで、厳しいコースを意識して返球する
- 5球目攻撃を意識したプレーに切り替える
上記の3点を実行すると、裏面ドライブで一撃で決めようとする意識がなくなり、不要な力みがなくすことができ、自分のプレーに流れが生まれました。そして、かえって良いプレーが出来るようなったと実感することができました。
(3)裏面ブロック
最大のメリット感じることができたのがブロック技術でした。特に実感できたのが次の2点です。
(4)フラット打ち
裏面打法におけるラット打ち(回転をかけない強打)についても、個人的にはチキータの次くらいに重要な技術だと考えています。
フラット打ちに関しては、表ソフトラバーの専売特許といえる打法と言えます。打球時の初速が速く、なおかつナックル系の球質が出しやすいので相手がかなり嫌がってくれます。
また、100%の力で強打しなくても、繰り出すボールが勝手にナックル系の球質になり、相手にとって十分脅威なので、プレーに余裕が生まれた感じがしました。
(5)その他のメリット
その他に感じることができたメリットは以下のとおりです。
・練習仲間からは、表ソフトラバー「モリストSP」によるチキータレシーブは、「ボールが滑るように飛んでくるので取りにくい」という評価を頂きました。
・表ソフトラバーでチキータしたボールは、バウンドしてからの曲がりが少ないものの、相手のサーブの回転を残して返球することもできるので、打球の嫌らしさは十分に期待できる。
・チキータレシーブをした後に返球されたボールの回転が素直で対応しやすい。要するに4球目攻撃がしやすい。
・フォア面の裏ソフトラバーとバック面の表ソフトラバーの回転量の差が激しいので、相手のミスを誘いやすくなる。
(6)デメリット(台から距離をとるときつい)
ここまでメリットを挙げてきましたが、デメリットも挙げておきます。
・中陣ドライブが困難。私の技術では、台から下がってからの裏面打法は一か八かのフラット打ちか、つなぐボールしか打てそうにありませんでした。
4.留意点
裏面打法のラバーとして表ソフトを使うことについてご紹介してきましたが留意点を申し上げます。
裏面打法を始めたばかりの方は表ソフトラバーを使うべきではないと思います。
もし、裏面打法用のラバーとして表ソフトラバーを使うのであれば、少なくともバックサイドの下回転のツッツキに対して、安定した裏面ドライブを打てる打球感覚を磨いてから使用することをおすすめします。
私が裏面打法で満足な裏面ドライブを打てない時期に、表ソフトラバーを使ってみたことがあるのですが、全く使いこなせませんでした。
裏面打法に今からチャレンジすることを検討している方は、まずは極薄ラバーで打球感覚を磨くことが上達への早道だと考えます。
5.まとめ
各技術に関する評価を表にまとめましたので参考程度にご覧ください。
個人的には、裏面打法用ラバーとして表ソフトは大きな可能性を秘めていると感じています。
1か月間使ってみて、もっとも実感できていることは、フォア面の裏ソフトラバーとバック面の表ソフトラバーの回転量の差がかなり大きいためか、今まで経験がないようなミスを相手がしてくれるのです。
今回の検証で、表ソフトラバーの有用性を実感することができたので、当面の間はメインラケットの裏面に表ソフトを貼って練習を続ける予定です。
以上となります。みなさまの参考になれば幸いです。
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