1.はじめに
ラケットにラバーを貼った「ラケット重量」を気にされる方は多いと思います。
なんとなく軽いラケットは使いやすくて、重いラケットは腕力が必要といったイメージをお持ちかもしれません。
そこで今回は、「軽いラケット」と「重いラケット」には、実際にはどのような違いがあるのかについて考えていきたいと思います。
2.軽いラケット重量とは?
軽いラケットといっても、特に定義されているわけではないので、人によって意見はわかれるところですが、一般的に言われる軽いラケットは以下のようになります。
【ラケット・ラバーの総重量】
ペンホルダーラケット(両面ラバー)
150g以下
※ペンホルダーの片面ラバーの場合は、そもそも軽い用具なので割愛します。
シェークハンドラケット(両面ラバー)
160g以下であればかなり軽量
※170g以下でも軽量と言える。
あくまで個人的な考えですが、上記の重量より30g以上重い用具は、「重いラケット」と考えて良いかと思います。
両面にラバーを貼る場合、ペンホルダーとシェークハンドでは、持ち方が異なるため同じ重量でもペンホルダーの方がかなり重く感じることに注意が必要です。
軽いラケットのメリットについては、別の記事で詳しく書いていますので、興味のある方は是非ご覧ください。
3.「軽いラケット」と「重いラケット」の違い
(1)スイングスピード
「重いラケット」は、スイングを始動してからトップスピードになるまでに時間がかかります。パワーのある選手は問題ないかもしれませんが、重すぎるラケットは振り遅れの原因にもなるのでおすすめできません。
この記事を書くにあたり、ペンホルダーの180gを超えるラケットを数十分使用した後に、普段使用している150g以下のラケットを使うと、卓球台に近い位置におけるラケット操作が楽になり、スイングスピードの速さはかなり速くなることが実感できました。
(2)打球時のラケットのブレ
「重いラケット」は、相手の打球を打ち返す際に打球面のブレが少なくなります。
特に、強い打球(回転が多い、スピードのある球)を受ける時は、ブレが大きくなります。ブレが大きいと、打球時のラケット角度が安定しないので返球が難しくなります。
私は、操作性を重視するので軽いラケットが好みです。しかし、強い打球を打つ選手と練習をするときに、軽いラケットを使用した場合、ラケットの打球面のブレが激しすぎて安定した返球が難しく感じることがあります。
よって、軽いラケットが無条件に良いラケットいう訳ではなく、ある程度は重量のあるラケットを使う必要があると考えています。
(3)打球感が変わる
(2)で説明したラケット角度のブレに関連していますが、「軽いラケット」は打球した際に「手に響く感覚」が強くなります。逆に「重いラケット」は、「手に響く感覚」が弱くなります。
これらは、個人の好みによるところなので良し悪しはないと考えます。
ちなみに個人的には、「手に響く感覚」を感じられる方が、ラケットの「芯」に合った時の感覚が心地よいので軽めのラケットを好んで使用しています。
4.ラバー選択時の注意点
最近は、『スピン系のテンションラバー』や『粘着系テンションラバー』が人気だそうです。
これらの『スピン系のテンションラバー』や『粘着系テンションラバー』は、重量が重くなる傾向がありますので注意が必要です。
一例として、バタフライのヒットラバー「テナジーシリーズ」のラバーを挙げてみます。
・テナジー05:スピン重視のテンションラバー
・テナジー64:スピード重視のシートを使用しているテンションラバー
両者のラバー重量を比較すると、スピン重視のラバー「テナジー05」が重くなります。
なぜ重くなるかというと、スピン重視のテンションラバーは、ラバーの粒の間隔が狭いのが特徴だからです。間隔が狭いほど、粒の密度が高くなるため重量が重くなります。
また、粘着系テンションラバーは、粘着シートの特徴を最大限に活かすためにスポンジが硬く設計されていることが多く、その分ラバーが重くなる傾向にあります。
このような重量が重いラバーを選択する場合は、重くなり過ぎないように軽めのラケットを選ぶとバランスが良くなります。
5.おわりに
いかがだったでしょうか?
ラケットの操作性の向上や手首への負担を軽減するために「軽いラケット」を使用したり、安定したブロックを求めて「重いラケット」を選んだりと、自分のプレースタイルや好みによって様々な重量のラケットが選ばれています。
一般的に「重いラケット」と言われる重量帯のラケットであっても、振り遅れることがなければ大きな武器となります。
自分のプレースタイルにあった用具を選べるようになれば、実力アップは間違いなしです。
特に、ペンホルダープレーヤーは、ラケット重量がプレーに大きな影響を与えると考えています。ペンホルダーラケットの重量に関する記事を掲載していますので、興味のある方は是非ご覧ください。
以上となります。皆さまの参考になれば幸いです。
コメント
コメント失礼します。テナジー64をスピード系テンションラバーと表現するのは非常に違和感があります。以上です。
Shisouさま
コメントいただきありがとうございます。
ご意見について確認したところ、確かにテナジー64をスピード系テンションラバーと明確に分類するのは不正確だと同意いたします。
つきましては、当記事の表現を修正しました。
ご指摘いただきありがとうございました。