1.はじめに
裏面打法に適したラバーは、いったいどんなラバーか?
私は、約20年前から裏面打法の技術向上に取り組んできましたが、ラバーの選択が悩みの種でした。
裏面打法の練習を始めたころは、一般的に裏面打法に適していると言われている
「軟らかめ」
「軽い」
「弾む」
といった特徴をもつラバーを「コントロール系ラバー」「高弾性ラバー」「ハイテンションラバー」などを中心に色々と試していました。
そして、現在はある条件を満たすラバーを見つけることができ、メインラケットで使用しています。
どのようにして「これだ!」と思えるラバーにたどり着けたのかをご紹介します。
2.試した主なラバー
裏面打法用のラバー選択に試行錯誤していたのが、十年以上前から試しているので廃番となったラバーもたくさんありますが、以下のようなラバーを試しました。
・マークⅤ30°
・カタパルト
・イノーバウルトラライト
・フレクストラ
・エクリプス
・スレイバーFX
・スレイバーG2FX
・ブライスFX
・スレイバーEL
・テナジー05FX
・ハモンド
・マジックカーボン
・グラフィティ
・ノディアス
・ビヨーン
・フュージョン
・オリジナルエクストラライト
・セサロ
・レナノスソフト
・レナノスブライトソフト
・プライド30
・ラウンデル
・フライアットソフト 等々
このように「軟らかめ」「軽い」「弾む」を基本線として色々と試していきました。
それぞれに特徴があって良いラバーなのですが、『これだ!』と思えるラバーには出会えませんでした。
3.裏面打法でやりたい技術を絞り込む
最適と思えるラバーは10年以上見つからないものの、裏面打法の練習を地道に積み重ねており、だいぶ試合でも裏面打法ができるようになったころ、ある疑問が浮かびました。
「自分はラバーを数多く試しているけど、裏面打法で一番やりたいプレーは何だろう?」
考えた結果、自分がプレーの中で一番使用頻度が高く、得点率が高い技術は、
「裏面チキータレシーブ」だったのです。
裏面打法で使う技術については、別の記事「実戦で最初に使える裏面技術はこれだ!」にて、考察していますので、是非ご覧ください。
そして、私が「裏面チキータレシーブ」をするにあたり、必要なラバーの条件は、
(1)飛びすぎない
(2)回転がしっかりかかる
(3)軽量
以上の点を満たしたラバーだという結論にいたりました。
今まで試してきたラバーでは、しっくりこないのは当たり前です。なんせ、軟らかくて弾むのでスピードは出ますが、緊迫した試合ではオーバーミスが怖くてしっかり振り切れていなかったのですから。
まず、上記の(1)(2)を満たすラバーは、粘着ラバーという結論にいたりました。
そして(3)軽量については、粘着ラバーでも薄いラバーを選べば解決できそうです。
4.ついに見つけたラバー「アポロ5・超極薄(銀河)」
私の必要な条件を満たしていて、現時点で最も感触が良いラバーは、
「アポロ5・超極薄(銀河)」というラバーです。
このラバーは、ワールドラバーマーケット(WRM)で紹介されているラバーです。
私は、フォア面のラバーに「アポロ5 38°(銀河)」を使用しているので、両面アポロ5ということになりますが、ラバー厚が大きく異なるため全く別物です。
※パッケージは、「アポロ5 38°(銀河)」と同じです。

5.「アポロ5・超極薄(銀河)」が良い理由
私が、このラバーを気に入っている理由は以下のとおりです。
(1)凄まじい回転性能
アポロ5は、粘着ラバーの中でも、回転力に特化したラバーです。
チキータレシーブすると相手コートでバウンドした際、相手が空振りするくらい鋭く曲がります。
(2)極薄なのに攻撃力を備えている
相手のロングサーブをレシーブする際の裏面ドライブは、しっかり回転のかかったループ系ドライブやスピードドライブも容易に打てます。
※飛びすぎないラバーなので、攻撃力はハイテンションラバーよりは劣ります。
(3)フラット打ちが魅力
台上の浮いたボールをフラットにたたく場面がありますが、非常に打ちやすくスピードがでます。
また、極薄ラバー特有の性質として球質がナックル系になるので相手にとって非常に取りにくいのです。
(4)台上チキータレシーブがとにかく打ちやすい
個人的に最大の魅力と言えるのですが、チキータレシーブでしっかり回転をかけても、飛びすぎないのでオーバーミスを恐れることな安心して振り抜けます。
6.さいごに

私は、一般的に裏面打法に適したラバーと言われる「軟らかめ」「軽い」「弾む」ラバーを数多く試していましたが、今考えるとかなり遠回りをしてしまいました。
時間はかかってしまいましたが、改めて自分のプレースタイルを見つめなおし、自分に適したラバーを見つけた気がしました。
裏面打法で何の技術を向上させたいかによって選択するラバーはプレーヤーによって異なります。
私が気に入ったラバーを、一概におすすめするわけでありませんが、裏面打法用のラバーにお悩みの方でしたら、一度は試してみてほしいと思えるラバーです。
みなさまの裏面打法用のラバー選びの選択肢の一つになれば幸いです。




コメント
裏面打法の際の、裏面のラバーで試行錯誤しています。
まさぴーさんのブログを読み、お勧めの「アポロ5・超極薄(銀河)」を試してみようと思います。
まさぴーさんは、「相手のロングサーブをレシーブする際の裏面ドライブは、しっかり回転のかかったループ系ドライブやスピードドライブも容易に打てます。」とのことですが、アポロ5は粘着性ラバーのため、サーブの回転の影響を非常に受けやすいと思います。
強い回転のかかった速いロングサーブをレシーブする際に気をつけている事はどのようなことでしょうか?
教えていただけたらありがたいです。
しん 様
当サイトをご覧いただきありがとうございます。
正直申しまして、私自身の全国大会に出場するほどの実力者でもないのですが、個人的に考えていることを参考までにお伝えしたいと思います。
しんさんのご指摘のとおり粘着ラバーであるアポロ5は回転の影響を強く受けます。
また、強い回転と言っても回転の種類によって対応も変化することもご了知ください。
私は、強い回転のサーブをレシーブするときに気を付けていることは以下のことが挙げられます。
1.相手サーブの回転を利用する。
⇒私の場合は、サーブの回転に逆らわずにサーブの回転とスイング方向を出来るだけ同じにして回転に逆らわないことを意識します。その場合、強くインパクトしたり、ボールを押し込むようなスイングになるとオーバーミスが増えるので注意しています。
2.とにかく相手のコートに入れる。
⇒私の場合、ラリー戦が得意なので、まずは相手コートに確実に入れて、その後の展開を意識して返球しています。
また、裏面打法による返球は、相手からは予想外の回転が残っていたりして、自分が思っている以上に嫌がられることが多いです。自分としては、なんとか返した全く厳しくないボールを相手が返球ミスすることは頻繁にあります。という訳で、まずはミスを極力減らすことを意識しています。
3.回転の上書きは困難
よく相手のサーブの回転を速いスイングで上書きすればレシーブできると聞きますが、特に実戦で裏面打法を用いてレシーブする場合は、相手のサーブのコースや長さに合わせて上書きするような早いスイングを行うのは難しいと個人的には考えています。レベルが上がるほど、コース・回転量・回転方向を変えてくるので更に難しくなります。
4.その他参考
私は、現在は裏面打法を用いてロングサーブをレシーブする際は、手打ちにならないよう体の軸を意識するように心がけています。
言葉足らずで、分かりにくいようでしたらお気軽に聞いてくださいね。
まさぴー様
大変丁寧な説明ありがとうございます。お礼が遅れて申し訳ありませんでした。
上記の説明について質問が1つあります。
まさぴーさんは、「サーブの回転に逆らわずにサーブの回転とスイング方向を出来るだけ同じにして回転に逆らわないことを意識します」との事ですが、右利き同士の場合、「逆横下回転または逆横回転の強い回転のかかった、スピードの速い、コーナーぎりぎりのロングサーブ」を裏面打法のドライブでレシーブする場合は、相手サーブの回転を利用する事は難しいと思うのですが、どのように考えたら良いのでしょうか?
また、このようなサーブの裏面打法でのレシーブは、「手打ちにならないよう体の軸を意識する」以外に、どのようなことに気をつけていらっしゃいますか?
何度もすみません。教えていただけたらありがたいです。
よろしくお願いします。
しん 様
ご質問いただきありがとうございます。
ご質問いただくと、違った視点から自分のプレーを振り返ることができるのでありがたいです。
さて、ご質問について個人的に考えていることを参考までにお伝えしたいと思います。
※お互いが右利きであることを前提にお答えします。
【前提】
ご質問の逆横系のサーブは、私の場合はバックハンドサービスやYGサーブである場面が多いと想像します。
また、スピードの速い、コーナーギリギリとのことなので、バックサイドに2バウンド目が台から出るまたは、ギリギリ台から出ないサーブを裏面打法でレシーブする場合のことだと想定します。
私が、上記の条件のレシーブを裏面打法で処理するときには、以下のように対応します。
少し長くなりますがご容赦ください。
●逆横回転系のレシーブについて
1.ボールの右側(又は正面)をインパクトするイメージでスイングする。
⇒こうすることにより、スイングが逆横回転に逆らうことなくインパクト出来るので軽く当てるだけで相手コートに収めやすくなります。
※横回転がかかっているため、オーバーミスしやすいので注意します。
相手サーブの回転を利用するのは、難しいとおっしゃっておられますが、お気持ちはすごくわかります。
私の場合も、裏面打法を習得を始めたころは、裏面打法はボールの左側をインパクトするイメージが強く、ご質問のようなバックハンドサーブがうまい選手が大の苦手でした。
ですが、逆横回転のサーブに対しては、ボールの右側をインパクトするイメージで打てるようになると、今まで苦手だった逆横回転のサーブが面白いほど安定して返球できるようになりました。
※1:通常の裏面打法 ⇒ ボールの左側をインパクト ⇒ 時計回り系の回転がかかる
※2:ボールの右側をインパクトする裏面打法 ⇒ 反時計回り系の回転がかかる
2.強いインパクトは必要ない
⇒強い横回転がかかっているので、強くインパクトするとコントロールが難しくオーバーミスが増えます。
私の場合は、軽く当てて基本的に相手のフォアサイドのコースをついて、ラリーに持っていくようにします。
※相手サーブの回転をしっかり見切ることができれば、強打することはあります。
●その他、レシーブを裏面打法で処理する際に気を付けていること
1.ボールに身体をしっかり近づける
⇒レシーブ時は、しっかりボールに身体を近づけて、インパクトすることが大前提です。
腕だけ伸ばしてレシーブしても、安定しません。
フォアハンドと違って、バックハンドのストライクゾーンはとにかく狭いので、自分のポイントで打つために身体をしっかり近づけます。
※特に、フォア前のサーブを裏面打法で処理する場合は、とにかく身体をしっかり台の中に入れてインパクトすることが大事です。
2.まずは相手コートに入れることを大事にする。
ノンプレッシャーの状態であれば、バック側に来たロングサーブを裏面打法で強打することはしっかり練習を積めば出来るようになりますが、緊張する本番ではなかなかレシーブ強打で一発で抜き去る場面はそれほど多くは発生しないと考えています。
前回の回答でも書きましたが、裏面打法によって打った球質は、シェークハンドのバックハンドに比べて癖が強く変化が大きいので、返すだけで相手の脅威になり得るのです。
それなのに、自分のミスで相手に楽に点を与えるのは、もったいないと思うのです。
上記の対応方法は、あくまで私個人的な経験によるものなので、誰にとっても正解といえるものではないですが、少しでも参考になれば幸いです。
まさぴー様
非常にわかりやすい説明ありがとうございます。大変参考になりました。
なお、「コーナーギリギリ」とは、2バウンド目ではなく、1バウンド目が、台のバックサイドのコーナー(左角)にぎりぎり入るサーブという意味で書きましたが、レシーブの考え方は基本的に同じだと理解しました。
(もし間違っていたら教えてください。)
いろいろと教えていただき、ありがとうございました。