1.はじめに
卓球は、年齢に合わせたプレーが出来るので、意欲さえあれば何歳からでも始めることが出来る生涯スポーツと言われています。
そして、卓球という競技をスポーツとして取り組むのであれば、遊び用の道具ではなく、最低限の機能を備えた用具を揃えることをおすすめします。
ラケットは、最初からラバーが貼ってあるラケットはおすすめしません。そのようなラケットは、本来の卓球というスポーツを堪能することはできないレジャー用の道具だと思ってください。
今回は、卓球歴約40年の筆者が、初心者の方に自信をもってお勧めできるラケット・ラバーを厳選して、それぞれ4種類ずつご紹介します。
※表題においては、2024年版としていますが、2024年発売の新商品は含まれていません。おすすめ商品は、現時点で販売されている商品でロングセラーとなっている人気商品から選別しています。
2.最初からラバーが貼ってあるラケットをおすすめしない理由
(1)ラバーの貼り替えができない
ラバーは消耗品であるため定期的な貼り替えが必要となるからです。上記のラケットは、しっかりと貼り付けてあるため交換が出来ません。
(2)ラケット、ラバーの性能が悪い
最初からラバーが貼ってあるラケットは、あくまでレクレーション用です。安価にするために、ラケットの木材やラバーは、今から紹介する用具とは比べ物になりません。
まずは、「ラケット」「ラバー」は、別売りであると認識してください。
そして、ラケットは大事に使えば何年も使用できますが、ラバーは消耗品なので、ゴムが劣化してきたら剥がして交換するものなのです。
※たまに卓球専門店で、初心者向けに別売りのラバーを事前にラケットに貼って、セット販売している場合がありますが、それは全く問題ありません。
そして、各卓球メーカーは、初心者用に安価で扱いやすくてクセの無い用具を販売しています。
3.ラケット・ラバーを選ぶ際のポイント
ラケット・ラバーを選ぶ際は高価な製品を選べば良い訳ではありません。
最初は、次の3つの条件を踏まえて用具を選択しましょう。
(1)弾みを過ぎないラケット・ラバー
初心者は、ボールを自分でコントールして飛ばす感覚を磨いていくことが大事です。弾み過ぎる用具を使用するとボールを自分で飛ばす感覚が磨きにくくなり、上達の遠回りとなります。
(2)重すぎないラケット
重すぎるラケットは操作性が悪くなるので初心者にはおすすめしません。また、筋力があまりない場合に無理して重いラケットを使用すると肩や手首を痛めることもあります。
(3)柔らかめのラバー
柔らかいラバーは、インパクト時にしっかりとボールが食い込むのでコントロールがしやすく、回転もかけやすいのでおすすめです。
4.知っておくべき注意点
ラケット・ラバーに関する注意点を挙げておきます。
(1)ラバーの色について
ラバーを両面に貼る場合、異なる色を貼り付ける必要があります。
現在は、ラバー色のほとんどが「赤」か「黒」です。
※ちなみにヴィクタス社のラバー「ダブルエクストラ」は水色です。
(2)ラバーを「貼り付け」するときの注意点
ラバーの下部には、『ラバーの名称』『公認マーク ITTF ●●●ー△△△」が刻印されている部分は、グリップに最も近い場所に貼る必要があります。
ただし、ラケットに指がかかる部分を避けて貼ることは出来ます。
※以下の画像のように、ペンホルダーの場合は指がかかる部分を避けて貼ることが多いです。
なお、ラバーを貼りつける際の接着剤(グルー)については、別記事で詳しく書いていますので、興味のある方は是非ご覧ください。
5.初心者向けのラバーの厚さについて
ラバーを購入する際は、ラバーの厚さを選択することになります。
一般的に「特厚」「厚」「中」「薄」「極薄」など表記されますが、表現方法はメーカーによって微妙に異なります。
※商品によっては、「特厚」「厚」しかない場合もあります。
ラバーは一般的に
厚ければ厚いほど → 打球時のボールスピードが速くなるが、コントロールが難しくなる
薄ければ薄いほど → 打球時のボールスピードが遅くなるが、コントロールが容易になる
というわけで、初心者の方には、「厚」「中」くらいが良いと言えますが、個人的には「厚」がおすすめです。
「中」は打球時のボールスピードが遅いので、上達するとすぐに物足りなくなるからです。
6.初心者の方におすすめラケット人気4選
(1)水谷隼 メジャー(バタフライ)
バタフライ社イチオシの初心者向けのラケットです。
オリンピック金メダルの水谷選手が監修して作られたラケットです。デザインや性能からすると本来は8,000円以上はしそうなラケットです。
打球感が固くなってコントロールが難しくなってしまう特殊素材も使われておらず、とにかく扱いやすくクセがなく平均点の高いラケットです。
●シェークハンドラケットは以下をご覧ください。↓
●ペンホルダーラケットは以下をご覧ください。↓
(2)スワット(ビクタス)
ビクタス社の7枚合板の人気ラケットです。
5枚合板よりも弾みますが、6mmと薄い部類に入るので弾みは抑えられており、柔らかさと扱いやすさが特徴です。
また、高性能でありながらコスパが非常に高いことでも有名なラケットです。
●シェークハンドラケットは以下をご覧ください。↓
●ペンホルダーラケットは以下をご覧ください。↓
(3)ラティカ(ニッタク)
ニッタク社の5枚合板ラケットです。
板厚が5.8mmと薄く、ブレードは縦158mm×152mmとやや大きめのブレードで、ブロックと攻撃の安定性を意識して作られたラケットです。
このラケットも基礎的な技術を練習するにはピッタリです。
●シェークハンドラケットは以下をご覧ください。↓
●ペンホルダーラケットは以下をご覧ください。↓
(4)コルベル(バタフライ)
最後は、バタフライ社の5枚合板ラケットです。このラケットは、初心者向けという訳ではなく、幅広いレベルで愛用されていて、初めてのマイラケットとしても良いラケットだと考えています。
シェークグリップのみの販売ですが、このラケットに関する個人的な感想としては、「なんで、ここまで攻守のバランスに優れた製品が、この値段なの?」と疑問に思う程、コストパフォーマンスの面からも自信をもっておすすめできる一本です。
7.初心者の方におすすめラバー人気4選
ラバーについては、消耗品なのでビギナーの方には高価なラバーはおすすめしません。
ラバーは毎年数多くの商品が発売されますが、その分多くのラバーが販売中止となります。その中で、長い年月を重ねても人気のある高性能でリーズナブルな商品を紹介します。
(1)ロゼナ(バタフライ)
バタフライ社は、上級者向けのラバー(市場価格¥8,000円前後)のラバーも販売しているのですが、「ロゼナ」は上級者向けに引けをとならいほどの高性能ラバーです。
バタフライ社は、先に紹介したラケット「水谷隼メジャー(バタフライ)」とロゼナを使うことを推奨しています。
私も所有しているラケットの1本にロゼナを貼っていますが、クセのない良いラバーで初心者の方でも、安心して使えるラバーです。
(2)マークⅤ(ヤサカ)
ヤサカ社の看板ラバーです。約50年間売れ続けておりモンスターラバーと言われています。
とにかく低価格で安心して使用できる品質なので、時代を超えて愛されているラバーです。
このラバーもクセがなく使いやすいので初心者の方に向いています。
また、製品による性能のバラツキが非常に少ないのも魅力の一つです。
(3)ヴェガ ヨーロッパ(エクシオン)
エクシオン社から2009年発売され、今でも売れ続けている人気ラバーです。
ヴェガシリーズには、その他にヴェガ アジア(スピード系ラバー)、ヴェガ プロ(回転系ラバー)とありますが、ヴェガ ヨーロッパは、コントロールを重視したラバーです。
非常に高性能ですが、リーズナブルかつ使いやすラバーなのでおすすめです。
(4)GTT45(アンドロ)
最後は、当ブログでは何度もご紹介しているドイツ製ラバーです。
このラバーは、ライトテンションといって、ボールが弾みやすいようにテンションがかかっていますが、ビギナー向けに適度な弾みになるように調整されています。
そしてなんと、ショップによっては3,000円以下で販売されているほど、価格はリーズナブルなのですが、非常に使いやすいラバーであり安心して使用できる製品です。
※ショップによっては、定価をはるかに超える価格で平然と販売しているところもあるので、十分にご注意ください!
また、当該製品はラバーの厚さが1種類のみ(スポンジの厚さ1.6mm)だけなので、ラバーの厚さ選びに迷うことがありません。
ちなみに『GTT45(アンドロ)』を、ペンホルダーの裏面打法という技術の入門用のラバーとしても推奨しています。
8.まとめ
ご紹介したラケット・ラバーについては、比較的リーズナブルで性能が高くバランスがとれた商品です。基礎を練習するにはピッタリの用具です。
これらの用具で練習を重ね上達していけば、近い将来「この用具では弾みが物足りないな」「回転がもっと欲しいな」等の用具に対する評価が出来るようになってきます。
そうなれば、卓球というスポーツがもっと楽しくなってきます。
卓球は、とても奥が深いスポーツだと思います。
この記事が、卓球を始めた方々にとって少しでもお役に立てると嬉しいです。
以上、参考になれば幸いです。
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