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【卓球】ラケットの重心を測定してみた|ラバーを貼ると重心はどう変化する?

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卓球 ラケットの重心を測定してみた 用具レビュー・用具考察
【著者の略歴】

卓球歴: 40年以上(ベテランの視点から執筆)
戦型: 中国式ペン攻撃型(裏面打法を探求中)
運営者: 修士(物理化学)の経歴を持つ「卓球Lab」管理人。
ミッション: 用具の特性や技術のコツを独自の視点で言語化し、卓球の奥深さを伝える情報を発信しています。
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1.はじめに

ショップでラケットのみを手にして「これはいい!」と感じても、実際にラバーを貼ってみると、想像以上に重くてイメージが違った……。そんな経験はありませんか?

それは、単純にラバーの重量が加わっただけではないのかもしれません。

ラケットは重量だけでなく、重心がどこにあるかによっても、振ったときの感覚が変わります。

テニスやバドミントンでは「バランス」がスペックとして表示される一方、卓球ラケットでは重量ほど一般的ではありません。

そこで今回は、卓球ラケットの「重心」に注目し、簡易的な方法で測定してみました。

卓球ラケットの重心を測定してみる

2.卓球ラケットの「重心」とは?

重心とは、簡単にいえばラケットの重さが集中していると考えられる位置です。

卓球ラケット 重心の位置を説明するイラスト

同じ150gのラケットでも、重心がグリップ側にあるか、ブレード先端側にあるかによって、振ったときの感覚は変わることがあります。

テニスやバドミントンでは、「重量」に加えて「バランス」を表す数値や分類がスペックとして用いられています。

一方、卓球ラケットの商品スペックでは重量は表示されていても、「重心位置○mm」といった具体的な数値を表示している例は、私は一度も見たことがありません。

せいぜい「先端寄り」「手元寄り」といった感覚的な表現を見かける程度です。

卓球ラケットはテニスやバドミントンとは形状や構造が異なり、さらに貼り付けるラバーによって完成後の重量や重心位置も変化します。

こうした違いも、卓球では重心が一般的なスペックとして扱われていない理由の一つなのかもしれません。

そこで今回は、実際にラバーを貼った状態まで含めて重心を測定し、ラバーを貼ることでラケットの重心がどのように変化するのかを確かめてみます。

なお、この記事では「重心位置」をグリップエンドから重心までの距離(mm)として表します。

3.卓球ラケットの重心を簡易測定してみた

卓球ラケット 重心の測定に使用した用具について

測定方法

重心の測定には、デジタルスケールを2台使用しました。ラケットの両端をそれぞれ1cm(10mm)ずつスケールに載せ、中央部分を宙に浮かせます。左側をグリップ側、右側をブレード先端側とし、それぞれのスケールにかかる重量から重心位置を計算しました。

卓球ラケットの重心を簡易的な方法で測定している画像
2台の秤にラケットを載せて測定しているところ

同じ条件で5回測定し、最大値と最小値を除いた3回の平均値を測定結果としました。

重心位置の計算方法(詳しく知りたい方へ)

今回は、各スケールに載せた10mmの中央を仮想的な支点としました。ラケット長246mmの場合、グリップ側の支点はグリップエンドから5mm、ブレード先端側の支点は先端から5mmとなるため、仮想支点間の距離は236mmです。

左側の重量をL、右側の重量をR、ラケットの全長をBとすると、グリップエンドから重心までの距離は、次の式で求めます。

重心位置 = 5 + {R ÷(L+R)} ×(B−10)

今回のラケットでは、B=246mmなので、「5 + {R ÷(L+R)} ×236」として計算しました。

なお、この方法はラケットの厳密な物理学的重心を測定するものではありません。今回は、ラケットの重心変化を比較するための簡易的な指標として使用します。

また、算出した重心位置付近に人差し指を置いてラケットを支えると、実際にラケットのバランスを取ることができました。

簡易的な測定方法ではありますが、算出した数値と実際に指1本で支えたときのバランス位置が概ね一致したことから、ラケットの重心変化を比較するための目安としては利用できそうです。

4.実際に測定すると、重心はどう変化した?

今回は、ラケット単体→フォア面にラバー装着→両面にラバー装着の3段階で、重心位置を測定しました。

卓球ラケット 重心の測定結果

測定の結果、ラケット単体の重心位置は約140.2mmでした。フォア面にラバーを1枚貼ると約153.5mmとなり、約13.3mm先端側へ移動しました。

さらにバック面にもラバーを貼ると約159.1mmとなり、完成状態ではラケット単体から約18.9mm先端側へ移動しました。

つまり、ラバーを貼ることで変わるのはラケット重量だけでなく、ラケットの重心位置も変化しているのです。

5.「ラケット重量」だけでは分からないこと

卓球ラケット 重心が移動する要素

バタフライも、ブレードが重いと重心は先端側へ、軽いと手元側へ寄ると説明しています。また、グリップの長さや重量によっても重心位置は変化します。

つまり、同じ150gのラケットでも、「どこに重量があるか」によって重心位置は変わります。

もちろん、実際の振りやすさには、ブレードの形状や厚さ、素材、グリップ形状、ラバーなど、さまざまな要素が影響します。

また、好みの重心位置は、選手のプレースタイルや感覚によっても異なります。

そのため、「重心が○mmなら振りやすい」という単純な話ではありません。

それでも、重量と重心位置をセットで見ることで、ラケット選びの新たな比較材料になるのではないでしょうか。

6.まとめ

今回は、卓球ラケットの重心を簡易的に測定し、ラバーを貼ることで重心がどのように変化するのかを確認しました。

その結果、今回のラケットでは、重心位置がラケット単体の約140.2mmから、両面にラバーを貼った状態で約159.1mmへ、約18.9mm先端側へ移動しました。

ラケットの振りやすさは、重量だけでなく、重量がどこに分布しているかや、選手のプレースタイル・好みによっても変わります。

今回の数値は厳密な物理学的重心ではなく、一定の条件で測定した、ラケットのバランスを比較するための簡易的な指標です。

なお、重心は測定するだけでなく、重りやラバーの貼り方を工夫して調整することもできます。

以前の記事では、中国式ペンの重心調整について紹介しています。こちらの記事も、今後リニューアルする予定です。

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