1.はじめに
卓球ラケットには大きく分けて「シェークハンド」「中国式ペン」「日本式ペン」「反転式ペン」の4つの型式がありますが、その中でも独自の進化を遂げ、今なお根強い人気を誇るのが日本式ペンホルダーです。
今回は、魅力あふれる「日本式ペン」についての各メーカーのカタログ(2026年度版)表記の平均重量を比較してみましたので、興味のある方は参考までにご覧ください。
また、「シェークハンド」「中国式ペン」「反転式ペン」についても、以下のとおり別記事で紹介していますので興味のある方は、是非ご覧ください。



なお、日本式ペンについては日本のメーカー(6社)のみかと思いきや、ドイツの「TIBHAR(ティバー)」DONIC(ドニック)も販売があり、確認できた本数が51本でした。(2026年4月末現在)
日本式ペンは、もともと片面にのみラバーを貼るスタイルを前提に設計されています。そのため、総重量が抑えやすく、以前の私自身もそうでしたが、ラケット単体の重量に対してそれほど神経質にならずに済むのがこの型式のメリットでもあります。
しかし、現代卓球において「1gの差」は、スイングスピードや打球の威力に直結する重要な要素です。そこで今回は、最新の市場データに基づき、日本式ペンの重量傾向を「軽量モデル」と「重量モデル」に分けてランキング形式でご紹介します。
※補足: 同重量のラケットが複数存在したため、キリの良い数字ではなく「軽いラケットベスト11」および「重いラケットベスト7」という形での発表となります。
2.比較に当たっての留意点
(1)比較したメーカーについて
日本式ペンの販売を確認できたメーカー数:8社(2026年4月末現在)
バタフライ、ニッタク、ヴィクタス、ヤサカ、ジュイック、ダーカー、TIBHAR(ティバー)、DONIC(ドニック)
本記事では、日本語カタログを発行している、あるいは公式ウェブサイトでラケットの平均重量が公開されている主要メーカー6社を比較対象としました。
なお、バタフライ社のデータはHP掲載の最新数値を参照しています。同社がカタログではなくHPにのみ重量を公開しているのは、1年間更新できない紙媒体よりも、常に最新で正確なデータを届けたいという誠実な姿勢の表れです。定期的に数値を更新し、製品に対して極めて忠実な情報公開を行う同社の姿勢には、非常に好感が持てます。
多くのペンドライブ型プレーヤーが一度は手にする名門「ダーカー(DARKER)」については、日本式ペンだけで10種類という圧倒的なラインナップを誇ります。しかし、公式データに平均重量の記載がないこと、および2024年以降のカタログ更新が確認できていない現状を踏まえ、今回の集計対象からは除外しております。
DONIC(ドニック:3種類)についても平均重量の記載がないので対象外となりました。
(2)平均重量の表記方法について
各メーカーごとに平均重量の表示形式は微妙に異なりますが、本記事ではこれらを同一の数値と見なして比較・集計しています。あらかじめご了承ください。
【表示例(ラケット平均重量が80gの場合)】
バタフライ:平均重量80g
ジュイック:重量80±5
また、日本式ペンは『単板ラケット』が主流であるため、特に個体差(重量のバラツキ)が激しいという側面があります。今回提示する数値はあくまで標準的な指標ですので、実際の一本を選ぶ際の『目安』としてお楽しみいただければ幸いです。
(3)本記事の性質について:カタログスペックの比較
本記事は実際の「用具レビュー」ではなく、各メーカーの公式カタログやウェブサイトに掲載されている「平均重量」を集計・比較したものです。私自身がすべての用具を試打したわけではないため、個別の使用感や製品の優劣、特定モデルの推奨を目的としたものではありません。あくまで数値データの比較として、用具選びの参考にご活用ください。
3.軽い日本式ペンラケットランキング

ラケットの操作性の良さやピッチの速さを重視するプレーヤー向けのラインナップです。
第6位(平均重量75g/6本)
平均重量75gのラケットが、なんと6モデルも並びました。日本式ペンとしては軽い部類に入ります。これだけの軽量設計であれば、軽めのラバーを選ぶことで『裏面打法』を取り入れることも十分に可能です。総重量を抑えつつ、プレーの幅を広げたい方にとって、これらは見逃せない選択肢となるでしょう。
- イングレスJP(ヤサカ)
- ヒノカーボンSR(ヴィクタス)←角丸形
- ヒノカーボンS(ヴィクタス)←角型
- アキュート(ニッタク)
- レグノスR(ニッタク)*新発売
- ルーティスレボJ(ニッタク)
「一言メモ:サナリオンRからレグノスRへ」
廃盤となったエントリーモデルの名作「サナリオンR」の特徴を、平均重量75gという軽量スペックのまま継承したのが2026年登場の「レグノスR」です。
唯一の変更点は、ブレードの縦の長さが158mmから160mmへ2mm延長されたこと。この微増が遠心力を高め、操作性はそのままに、より力強いドライブを可能にする「現代的なアップデート」を遂げています。新旧愛好者ともに納得の新定番と言えるでしょう。
第5位(平均重量:73g/1本)
制勝(角形)(ジュイック) 13,200円(税込み)
このラケットは、単板なので平均重量の表示「73g±10」となっており個体差が大きいことが分かります。
制覇カーボンペンの後を継ぎしラケット
参照元:JUIC HP
大人気を博した制覇カーボンペンの後継バージョン。軽く柔らかな打球感とスピードという相反する要素を両立させたラケットです。
第4位(平均重量:70g/1本)
・ダブルフェイスⅡJP(ヤサカ) 9,020円(税込み)
日本式グリップのまま裏面にもラバーを貼れる両面対応のペンホルダーラケットです。
参照元:YASAKA HP
第3位(平均重量:69g)
チタニウムペンOFF(ジュイック) 23,100円(税込み)
TITAN POWER
参照元:JUIC HP
チタンパワーがすさまじい破壊力を生み出す、超軽量日本式ペンラケットです!
第2位(平均重量:67g)
ライタン(ジュイック) 23,100円(税込み)
JUICチタニウムシリーズ随一の反発力
参照元:JUIC HP
JUICチタニウムシリーズの最高の反発力を持つラケット。軽く、弾む。
第1位(平均重量:50g)
制勝(角丸形)(ジュイック) 13,200円(税込み)
ウェブカタログを精査中、一際目を引く規格外の数値に遭遇しました。一見、誤植を疑うほどの軽量さですが、公式掲載数値であるため、本ランキングでは事実に基づきそのまま採用しています。
※以下のJUIC公式ページ確認できます。
このモデルは単板構造であり、重量表示は「50g±10」となっています。±10gという幅は、天然素材ゆえの個体差の激しさを物語っていますが、40g〜60gというレンジ自体、日本式ペンの既成概念を打ち破る圧倒的な数値と言えるでしょう。
制覇カーボンペンの後を継ぎしラケット
参照元:JUIC HP
大人気を博した制覇カーボンペンの後継バージョン。軽く柔らかな打球感とスピードという相反する要素を両立させたラケットです。
4.重い日本式ペンラケットランキング

続いて、一撃の破壊力と、相手の強打に負けない安定感を求めるパワーヒッター向けの厳選モデルです。一撃の破壊力と、相手の強打に負けない安定感を求めるパワーヒッター向けの厳選モデルです。
個人的には、かつて日本式ペンドライブ型で頑張っていたころに、愛用していたサイプレス(バタフライ)に思い入れがあります。
それにしても、ヒノキ単板ラケットの値段高騰が激しすぎますね。
第7位(平均重量:93g)
サイプレスG-MAX(バタフライ)55,000円(税込み)
多くのユーザーがまずその「高額さ」に驚くモデルですが、それこそが最高級単板の証でもあります。厳選された檜のみが許されるこの価格帯においても、その人気が衰えることはありません。
注目すべきは、伝統的な「10mm」という板厚です。ペンドライブの強打者たちが長年追い求めてきた「球持ちの良さ」と「弾み」の黄金比が、この10mmに凝縮されています。単板ラケットとしての究極形を求めるなら、一度は手にしたい憧れの一本です。
檜単板の最高峰モデル
参照元:バタフライHP
厳選された最高級木曽檜を使用。10ミリという厚さが、素晴らしい威力と打球感を実現しました。上級の選手にお勧めのモデルです。
第5位(平均重量:95g:2本)
サイプレスV-MAX(バタフライ)19,800円(税込み)
一口メモ
価格差について:G-MAXとV-MAXの境界線
35,200円もの価格差を生む最大の要因は、最高級木曽檜(きそひのき)の中でもさらに厳選された「木材の密度と希少性」にあります。
サイプレスG-MAX(55,000円):
樹齢数百年の原木から、極めて木目が細かく均一な部位のみを抽出した「最高の一枚」。圧倒的な反発力と希少価値を裏付けています。
サイプレスV-MAX(19,800円):
G-MAXの選別基準には届かないものの、十分に高品質な檜を使用したモデル。わずかに打球感が柔らかく、パワーと扱いやすさのバランスを重視した設計です。
単なるブランド料ではなく、「大自然の恵みの中から職人が見極めた純度」の差が、この価格に反映されています。
檜単板の高級モデル
参照元:バタフライHP
厚さ10ミリにスライスされた高級木曽檜が、素晴らしい威力を生み出します。スピード、スピンともに優れた威力のあるドライブを求める中級から上級の選手にお勧めのモデルです。
覇者V(ヤサカ)16,500円(税込み)
覇者V(10.0mm厚): 適度なしなりと球持ちの良さを備えた「コントロール重視」。台上処理や連打での安定感を優先するプレーヤーに向いています。
攻撃力を高めた10㎜単板ラケット
参照元:ヤサカHP
使いやすさも重視した板厚10 ㎜の単板ラケット。破壊力抜群の攻撃力を誇ります。
第4位(平均重量:98g)
覇者S(ヤサカ)22,000円(税込み)
5位の「覇者V」に続き、4位に「覇者S」がランクインしました。ヤサカが誇る最高級木曽檜単板シリーズである両モデルの決定的な違いは、その「板厚」にあります。
覇者S(10.5mm厚): 圧倒的な反発力を誇る「パワーヒッター向け」。一撃の破壊力を求める伝統的なペンドラスタイルに最適です。
ボールの威力重視なら「S」、操作性のバランスなら「V」という選択が可能です。
覇者S(10.5mm厚)
10.5mm厚によって抜群の威力を発揮する桧単板ラケット
桧を10.5mmと厚くスライスする事により抜群の破壊力を発揮する桧単板ラケット。
威力を追求するペンホルダーにおすすめです。
参照元:ヤサカHP
第1位(平均重量:100g/3本)
ついに栄光の第1位の発表です。驚くべきことに、1位には100gという圧倒的な数値をマークした3つのモデルが、くしくも同時にランクインしました。
ラケット単体で100gという重量は、現代卓球において極めて異例の「超重量級」です。この重さを振り切るためには、組み合わせるラバーの重量管理に注意が必要となります。
しかし、その重量がもたらす恩恵は計り知れません。相手の強打に押されない鉄壁のブロック、そして一撃でラリーを終わらせる破壊的なスマッシュ。まさに、パワーと安定感を極限まで追求するプレーヤーにとって、これ以上ない「至高の一品」と言えるかもしれません。
剛力J(ニッタク)36,300円(税込み)
個性は武器だ!日本式ペン
参照元:ニッタクHP
バック面にスポンジの薄い異質ラバーを貼ることを前提として「ラケットは重いほうが良い」というスタイルに仕上げました。
裏面の異質ラバーを押し出すような裏面打ちで操り、変化+つかんで弾く力強いスマッシュで相手を翻弄します。重量級で大きめなブレードは、相手の強打に負けない安定したブロックを生み出します。個性を磨き、個性を育み、勝利を手に入れる!
ダイナム スピリット10.5(ヴィクタス)22,000円(税込み)
ダイナムシリーズの“意志”をつなぐ檜単板
参照元:ヴィクタスHP
板厚10.5mmを採用。厳選された木曽檜を使用し、高反発と抜群の打球感を実現。
※裏面コルク付き
ダイナム 10.5(ヴィクタス)36,300円(税込み)
最高級の木曽檜単板
参照元:ヴィクタスHP
厳選された木曽檜を使用した板厚10.5mmの木曽檜単板。妥協なき物づくりで創り上げる最高級の日本式ペンホルダーラケット。※裏面コルク付き
一口メモ
100gという圧倒的な重量で、VICTASの「ダイナム」2モデルが1位に並びました。ともに10.5mmという極厚スペックですが、その性格はだいぶ違います。
ダイナム 10.5(最高峰の看板モデル):
厳選された最高級の木曽檜を使用。「極上の打球感」と「爆発的な威力」を兼ね備えた、シリーズを象徴する最高級の1本です。
ダイナム スピリット 10.5(威力重視の特化型):
同じ10.5mmの厚みを維持しつつ、素材の選別基準を変えることでコストを抑制。打球感よりも「とにかく飛ばすこと(飛距離と破壊力)」を優先した、攻撃特化型のモデルです。
究極の「打ち心地」を求めるなら「ダイナム」、予算を抑えつつ「弾みの強さ」を優先するなら「スピリット」という印象です。
5.おまけ:黒船襲来?TIBHAR初の日ペン単板「イェーガー」
ドイツの名門ティバー(TIBHAR)から、日本式ペン「イェーガー」が登場しています。
イェーガー:ティバー(TIBHAR)38,500円(税込み)
貴重な木曽檜を使用した、TIBHAR 初の日本式ペン
10.5 mmの木曽檜単板は弾みが強く、相手のボールに打ち負けないラケ ットになっています。 角型と角丸型の間の形状をしており、どちらの形からでも違和感なく 使用いただけます。使用する木材を厳選し、心地よい打感とハイクオリティな製品をお届 けします。
参照元:ティバージャパンHP
6.まとめ:自分にあった「最高の一本」を見つけよう

いかがだったでしょうか? 日本式ペンホルダーは、本来「片面にラバーを貼る」ことを前提とした型式ですが、今回の調査を通して、裏面打法も可能な「超軽量設計」から、一撃の破壊力を追求した「重量級単板」まで、多様な選択肢があることが再確認できました。
個人的には、多くのペンドラが一度はお世話になる名門「ダーカー(DARKER)」をランキングに含められなかったことが心残りです。2024年以降のカタログ更新がなく、公式な平均重量の記載も確認できなかったため今回は対象外としましたが、参考までに私が個人的に集約した「日本式ペン一覧表」を併記しておきます(網羅しきれていない点はご容赦ください)。
この記事でご紹介した数値はあくまで各メーカーが公開している平均重量ですが、皆様の用具選びのひとつの指標として共有できれば幸いです。もし気になるラケットが見つかりましたら、ぜひ店頭や詳細スペックで個別にチェックしてみてください。
本記事が、皆様の卓球ライフをより豊かにする「最高の一本」との出会いの一助となれば幸いです。





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