1.はじめに
著者は、ペンホルダーで裏面打法を多用するプレースタイルということもあり、日本国内や世界で活躍するペンホルダー裏面打法使いに注目しています。
というわけで、今回は裏面使いのトッププレーヤーについて考察します。
なお、今回は選手名が数多く出るため敬称は省略させていただきます。ご了承ください。
※紹介する選手の使用用具・世界ランキングについては、卓球用具のレビューに定評のある「卓球ナビ」様の情報を使わせていただいています。
参照元:卓球ナビ https://takkyu-navi.jp/
2.【タイプ別】裏面打法使いの用具
裏面打法の達人たちは、どのような用具を使っているのでしょうか?
各タイプのネーミングは、著者が勝手につけましたご容赦ください。
※世界ランクは、2023年8月現在。
(1)『癖球とパワー裏面ドライブの融合』タイプ
フォア面:粘着ラバー
バック面:テンション系裏ソフトラバー
世界を何度も制覇した中国ペンホルダー選手の標準的な組み合わせです。フォア面の粘着ラバーで回転量のあるドライブで押し込み、裏面打法はパワー不足を補うべくテンション系ラバーを使用しています。
【代表的な選手】
許昕(XU Xin)(中国)世界ランク115位
ラケット:インテンシティNCT(スティガ)5枚合板
フォア面:キョウヒョウ3国狂ブルー(紅双喜)
バック面:テナジー05(バタフライ)
王皓(WANG Hao)(中国)引退
ラケット:キョウヒョウ 皓 3(紅双喜)5枚合板(特殊素材入り)
フォア面:天極NEO3(紅双喜)
バック面:ブライス スピード(バタフライ)
※中国の馬林も同タイプです。
(2)『癖球(クセダマ)炸裂』タイプ
フォア面:粘着ラバー
バック面:粘着ラバー
両面粘着ラバーを使用し、粘着ラバー特有の癖球を駆使して勝負します。
フェリックス・ルブラン(フランス)は、ワールドツアー(2023年)で、樊振東(中国:世界ランク1位)と試合しています。
一見なんでもないようなルブランの裏面ドライブを、樊振東はミスしていたので癖球の効果はあるのだろうと感じました。
試合は負けてしまいましたが、樊振東のフォアサイドを裏面ドライブ一発で抜き去るなど非常に良い試合で、まだ16歳のルブランの将来性を感じました。
【代表的な選手】
フェリックス・ルブラン(フランス)世界ランク16位
ラケット:ハイブリッドAC インサイド(TIBHER)7枚合板
フォア面:ハイブリッド K3(TIBHER)
バック面:ハイブリッド K3(TIBHER)
(3)『両ハンドパワードライブ』タイプ
フォア面:テンション系裏ソフトラバー
バック面:テンション系裏ソフトラバー
両ハンドに弾むテンション系ラバーを駆使した威力重視のドライブで、ぐいぐい押し込んでいくタイプです。
このタイプは、黄鎮廷(香港)選出が世界ランク最高6位まで行きましたが、更に上位に行く選手は出ていません。
【代表的な選手】
黄鎮廷(WONG Chun Ting)(香港)世界ランク47位
ラケット:不明
フォア面:テナジー05ハード(バタフライ)
バック面:ディグニクス05(バタフライ)
松下大星(日本)世界ランク1202位
ラケット:インナーフォース レイヤー ZLC – CS【特注(変形)】
フォア面:ディグニクス 09C(バタフライ)
バック面:ディグニクス05(バタフライ)
(4)『スマッシュと裏面打法の融合』タイプ
フォア面:テンション系表ソフトラバー
バック面:テンション系裏ソフトラバー
このタイプの選手は、フォアハンドはスマッシュ系の強打で押し込み、バックハンドは裏ソフトラバーを使用した裏面打法で弱点のバックハンドを補っています。
強引かもしれませんが、小塩悠菜を代表的な選手として掲載しました。
独特なグリップなので、もはやペンなのかシェークなのか良くわからないのですが、ユニークなプレースタイルなので応援したい選手です。
【代表的な選手】
カンテロ(スペイン)世界ランク805位
ラケット:サムソノフ フォースプロ(TIBHER)7枚合板
フォア面:レイストーム(バタフライ)
バック面:エボリューション EL-P(TIBHER)
小塩悠菜(日本)世界ランク176位
ラケット:カルテット VFC(ヴィクタス)5枚合板(特殊素材入り)
フォア面:VO>102(ヴィクタス)
バック面:V>15 Extra(ヴィクタス)
※中国の劉国梁監督も現役時代は、このタイプでしたが裏面打法はあまり使っていませんでした。
3.まとめ
いかがだったでしょうか?
どの選手も個性的で面白く興味深い試合を見せてくれます。
世界ランク上位は、ほとんどがシェークハンドなので寂しく思いますが、男子はドイツの邱党(QIU Dang)(世界ランク:13位)、フェリックス・ルブラン(フランス)世界ランク16位、日本選手では、松下大星や小塩悠菜、宋恵佳に期待しています。
また、中国の徐海東(XU Haidong)世界ランク87位、薛飛(XUE Fei)世界ランク87位の両選手もかなりの実力者ですが、中国の層が厚すぎて世界レベルの試合にあまり出ていません。
ペンホルダー選手が、再び卓球界の覇権を握ることを祈りつつ、私は私で裏面打法の練習を続けたいと思っています。
以上となります。お読みいただき、ありがとうございました。
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