1.はじめに
ラケットとラバーを選ぶ際は、単に高品質の用具を選べばいい訳ではありません。
高価なラケットとラバーを揃えたとしても、ラケットとラバーの相性が自分のプレースタイルに合わないものだと非常にもったいないのです。
今回は、ラケットとラバーの相性について基本的な考え方をご紹介します。
2.ラケット・ラバーの硬さの違いを理解する
(1)ラケットの硬さ
ラケットの板を重ねた枚数で硬さが変化します。
一般的に、板の枚数が多くなるほどラケットは硬くなります。
単板 ⇒ 3枚合板 ⇒ 5枚合板 ⇒ 7枚合板
※枚数が多くなると徐々に硬くなる
【ワンポイント】
硬いラケットは、指で軽く叩くと「カンカン」と高い音がします。
柔らかいラケットの場合は、「コンコン」と低めの音がします。
※擬音は、著者のイメージです。
以下の画像は、7枚合板ラケット。7P-2A.7t(ダーカー)
※所有しているラケットで、最も高い音がします。
(2)ラバーの硬さ
ラバーは、スポンジの硬度によって硬さが変化します。
ラバーの硬さは、各メーカーのカタログに表記されているので確認できます。
【バタフライデジタルカタログ】
デジタルカタログ|バタフライ卓球用品 (butterfly.co.jp)
【ニッタクデジタルカタログ】
CATALOG | Nittaku(ニッタク) 日本卓球 | 卓球用品の総合メーカーNittaku(ニッタク) 日本卓球株式会社の公式ホームページ
【ワンポイント】
ラバー硬度は各メーカーが表示しているが、メーカーごとに測定方法・表記方法が異なるため、他のメーカーの製品との硬度比較は難しい。
3.ラケットとラバーの組み合わせを考える
基本的にラケット・ラバーは、硬いほどスピード重視の用具であり、柔らかいほど、弾みを抑えたコントロール重視の用具と言えます。
【ポイント】
ラバーの役割:ボールに回転をかける(回転量)
ラケットの役割:ボールを飛ばす(ボールスピード)
ラケットとラバーの組み合わせについては、大まかに4分類することが出来ます。
参考までに、各組合せの「ボールのスピード」「ボールの回転量」についてイメージがつくように、著者の独断と偏見をもって★の数で表示します。
ボールのスピード:★が多いほど速い
ボールの回転量:★が多いほど回転かかる
(1)硬いラケット✖硬いラバー
球離れが非常に早くなるので、最速の組み合わせと言えます。
球離れが早いため、回転をかける前にボールが飛んでいくイメージ。
ボールのスピード:★★★★★(5)
ボールの回転量:★(1)
もっとも扱いが難しい組み合わせです。スピードがでますが、回転がかけにくい上に、コントロールも難しいので使い手を選びます。
(2)硬いラケット✖柔らかいラバー
柔らかいラバーにボールが食い込んだ後に、硬いラケットでボールを飛ばす感じです。
柔らかいラバーでコントロールを確保し、硬いラケットでスピードを補っています。
ボールのスピード:★★★★(4)
ボールの回転量:★★☆(2.5)
バランスが良い組み合わせです。硬いラケットでボールのスピードが出せますが、柔らかいラバーのため回転はややかけづらくなります。
(3)柔らかいラケット✖硬いラバー
硬いラバーで球離れが早くなるが、柔らかいラケットが球離れの早さを緩和する。
ボールのスピード:★★★☆(3.5)
ボールの回転量:★★★☆(3.5)
もっともバランスがとれている組み合わせだと言えます。硬いラバーで球離れがはやくなるものの、柔らかいラケットによりボールの回転量を確保しています。現在は、トップ選手にも好まれている組み合わせと言えます。
(4)柔らかいラケット✖柔らかいラバー
柔らかいラバーにボールが食い込み、ラケットも柔らかいので最も球離れが遅く、最もボールスピードが遅くなる組み合わせです。
また、球離れが非常に遅い分、回転をしっかりかけることが出来ます。
ボールのスピード:★(1)
ボールの回転量:★★★★★(5)
回転はしっかりかけることが出来ますが、ボールスピードが遅いので決定力に欠ける組み合わせです。守備寄りの組み合わせだと言えます。
4.初心者の方におすすめの用具
初心者の方は、硬い用具はコントロールが難しくなるのでおすすめできません。
まずは、ラケットは弾み過ぎない軽いものを、ラバーは柔らかめのラバーを選択しましょう。詳しくは、以下のの記事に記載していますので、興味のある方は是非ご覧ください。
5.まとめ
ラケットとラバーの硬さを確認することは、用具を選ぶ際の大事な手順のひとつです。
まずは、ラケットとラバーの組み合わせがあることを理解していれば、用具を選ぶ際に明らかな間違いは防ぐことができると思います。
強い選手は、自分が使う用具について良く考えて、自分のプレースタイルにあった用具を選択することが出来ます。
卓球が上達するに従って、自分のプレースタイルにあった用具を選べるようになれば、卓球というスポーツがもっと奥深く、すばらしい競技だと感じることが出来ると思います。
以上となります。参考になれば幸いです。
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