卓球メーカーは、日々商品開発に取り組み、毎年新製品を発売し、その陰で人気が出なかった製品はひっそりと廃盤となっています。
特に、ラケット・ラバーについては、プレーヤーの様々なニーズに応えるべく、ネット上(日本語)で確認できる商品だけでも、ラケットは600種類以上、ラバーは400種類以上もの製品が存在します。
卓球用品(ラケット・ラバー)は、とにかく製品の入れ替わりが激しいのです!
このような状況の中、近年はラケット・ラバーの価格が上昇傾向にあります。ですが、中には高性能だけど価格が低く設定されているものが存在するのです!
そこで今回は、長い年月にわたりプレーヤーのニーズを満たし続け、なおかつリーズナブルなラケット・ラバーについて各3種類に厳選してご紹介します。
なお、ラバーについては、特に需要がある「裏ソフトラバー」に絞ってご紹介していますので、ご了承ください。
1.厳選する条件について
今回、コストパフォーマンスが高く、長年支持を受けている条件としては、次のように設定しました。(※価格:2024年4月1日現在)
◎ラケット
・発売後、10年以上が経過している製品
・販売価格(定価)が、10,000円未満
・グリップがシェーク(フレア、ストレート)、中国式と3種類があるもの
※グリップ条件は、汎用性を考慮して設定。
◎ラバー
・発売後、5年以上が経過している製品
・販売価格(定価)が、5,000円未満
※ラバーについては、特に製品の開発競争が激しいため、ラケットより短い5年としました。
2.ラケット(厳選3種類)
(1)スワット(ヴィクタス)
定価:7,150円(税込み)
まず、コスパラケットを紹介するにあたり絶対に外せないラケットそれが「スワット」です。2011年にTSPから発売され、途中でブランド統合によりヴィスタスで取り扱うようになり値上がりしましたが、現在の価格でもコスパが非常に良い高性能ラケットであると言えます。
通常は打球感が硬くなり球離れが早くなってしまう7枚合板でありながら、この「スワット」は、球持ちが非常に良く、スイートスポットが広めなのが特徴です。
全体的に、尖った特性はなく高いレベルでバランスが非常に良いラケットだと言えます。
打球感も柔らかい部類に入り、バランスが良いので7枚合板ではありますが、女性でも十分に扱える製品であると言えます。
個人的にも、7枚合板とは思えない、5枚合板のような打球感覚だと感じています。
(2)SK7クラシック(バタフライ)
定価:7,480円(税込み)
続いて「SK7 クラシック」です。実は、2015年まで「SK7」と販売されており一度廃盤になっていましたが、復活の要望が強く2017年に復刻版として再販売となった珍しい経緯のあるラケットです。
こちらも、製品名からわかるとおり7枚合板です。
現在は、トッププレーヤーにとっては素材ラケットが主流の時代ですが、木材ラケットが使用されていた10年前には、トッププレーヤーも使用者がいたほどの高性能ラケットです。
このラケットも、攻撃面・守備面で両立が可能な非常にバランスが良いラケットとして知られています。
(3)馬林エキストラオフェンシブ(ヤサカ)
定価:9,900円(税込み)
3本目は、「馬林エキストラオフェンシブ」です。厳選条件として設定した上限価格を下回るトッププレーヤー使用モデルを選びました。
ラケット名からわかるとおり北京オリンピック金メダリストである馬林(中国)が使用していたラケットです。
世界のトッププレーヤーが使用しているモデルは、高額になる傾向があるのですが、定価で10,000円未満という価格設定になっています。
馬林選手は、ペンホルダープレーヤーであったことから、グリップは特に中国式ペンが人気だそうです。
このラケットは、5枚合板ですが、硬めの素材を使用しているため弾みの良さがありながら、攻守にバランスの取れた高性能ラケットです。
3.ラバー(厳選3種類)
(1)ヴェガイントロ(エクシオン)
定価:3,850円
ラバー1枚目は、2017年発売の「ヴェガイントロ」です。
このラバーは、入門用ラバーとして販売されていますが、入門用ラバーにありがちな「柔らかめラバー」ではなく、比較的硬め(47.5度)に作られています。
硬めにしている理由としては、ラバーへのボールの食い込みを抑え、弾み過ぎないようにするためです。その反面、インパクトを強めればしっかりと弾ませることが出来るラバーなのです。
このラバーは、ボールをしっかりグリップして回転がかけやすいのも特徴です。
ネットショップ等で、割引価格で購入すれば二千円台で購入できるので、かなりコスパが高いと判断し1番目に選びました。
(2)ライガン(ヤサカ)
定価:4,400円(税込み)
次は、2018年の発売当初からコスパが高いと評判になった「ライガン」です。
現在、スピン系のハイテンションラバー(スピン系テンション)が主流ですが、製品の開発・製造にコストがかかるため高額になる傾向があります。
そんな中、「ライガン」は一度値上げがあったものの4,400円(定価)と比較的リーズナブルな価格設定となっています。
このラバーは、初めてスピン系テンションラバーを使う際の入門的な位置づけのラバーです。
とにかく安定性が抜群のラバーなのでおすすめできるラバーです。
(3)マントラ(スティガ)
定価:4,950円(税込み)
最後は、トップ選手も使用しているラバー「マントラ」(2017年発売)をご紹介します。
使用しているのは、卓球界のファンタジスタと呼ばれているモーレゴード(スウェーデン)選手です。モーレゴード選手は、2021年の世界卓球選手権の男子シングルスで準優勝した実績があり、現在は世界ランク20位です(2024年4月23日現在)。
彼は、スウェーデンの卓球メーカー「スティガ」の契約選手であることからスティガ社のラバー「マントラ」を使用しています。
「マントラ」は日本製のラバーです。ラバー硬度が①軟らかめ(S)、②中間(M)、③硬め(H)と3種類があります。モーレゴード選手は、硬め(H)を使用。
今回は、中間の硬さ「マントラM」をおすすめしたいと思います。
「マントラM」は、グリップ力がありしっかりと回転がかかるのが特徴です。中間の硬さとなっていますが、硬めのラバーであるため強いインパクトで威力のあるボールが出せます。個人的には、ある程度しっかりとスイングができる中級者層におすすめしたいラバーです。
上級者にも選ばれているマントラシリーズのラバーが、5,000円未満で購入できるためコスパが高いと考えています。
※定価を超える価格で販売しているショップにご注意ください。
4.おまけで紹介
(1)コルベル(バタフライ)←ラケット
定価:6,050円
コルベルは、グリップがシェークのフレアだけなので今回設定した条件に入らないので、おまけとして紹介させていただきます。
コルベルは、1995年に発売されたので約30年も売れ続けていることになります。
なぜ、こんなに長いこと支持されているか?月並みな説明で申し訳ないのですが、攻撃・守備において非常にバランスが良く、とても扱いやすいからです。
私は、ペンホルダーなので試合では使用経験はありませんので、多球練習の球出し等で使用する際の感想になりますが、「これぞ木材5枚合板が打ちやすさ。間違いない安定性」といった感想をもっています。
この信頼感に満ちたラケットが、定価で6,050円。ネットで買えば4,000円台で購入できるのでコスパ最高!といいたくなるラケットです。
(2)GTT45(アンドロ)←ラバー
定価:3,850円
ドイツ製のライトテンションラバーです。ラバーには、ボールが弾みやすいようにテンションがかかっていますが、ビギナー向けに適度な弾みになるように調整されています。
このラバーについては、別記事で「裏面打法にお勧めラバー」としてご紹介していますので、興味のある方は是非ご覧ください。
5.さいごに
いかがだったでしょうか?
ご紹介したラケット・ラバーは、初中級者におすすめしたい用具が多めですが、中にはハイエンド用具(高額な最高品質の用具)に引けをとらない製品もありました。
今回ご紹介した用具は、ある部分に突出した特徴があるわけではなく、全体的にバランスに優れた用具ですので、安心して試せると考えています。
厳選してご紹介した用具は、卓球に詳しい方であれば誰もが知っているような攻守のバランスが良い用具だと思います。そんな用具について、個人的な感想を含めてご紹介させていただきました。
もし、卓球仲間で今回の用具を使用している方がいらしたら、試しに軽く打って見て欲しいと思います。
以上となります。みなさまの参考になれば幸いです。
コメント