【卓球】小塩悠菜選手の特殊グリップを分析!実際に使ってみたらどうだった?

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トップ選手の分析・展望

1.はじめに

みなさんは、小塩悠菜(おじお ゆうな)選手をご存じですか?

彼女は、15歳以下の日本代表選手で、年代別の国際大会においても中国選手にも勝利するなど非常に期待されている選手です。

そして何より注目されているポイントが、個性的なラケットの持ち方(グリップ)、プレースタイルなのです。

市民プレーヤーで個性的なグリップの方は時々見かけますが、世界レベルで活躍する選手が特殊なグリップであるのは非常に珍しいのです。

小塩悠菜選手の主な戦績やプロフィールは以下のとおり。

いかがですか?

小塩悠菜選手は、これだけの成績を唯一無二のグリップで成し遂げているのです。

一昔前であれば、すぐに一般的なグリップに矯正されてしまうことでしょう。小塩選手の個性をそのままにして指導してこられた方々に拍手を送ります。

という訳で、今回は小塩悠菜選手のグリップ等について個人的見解を交えながら分析していきたいと思います。

なお、本ブログでは小塩悠菜選手のグリップを「小塩式グリップ」と呼称します。

https://www.victas.com/ja_jp/about/advisory/yuna_ojio

参照元:ヴィクタスHP(小塩選手の使用用具、戦歴等)

2.「小塩式グリップ」の特徴

個人的には、「小塩式グリップ」は、ペングリップとシェークハンドグリップの中間的なグリップだと考えています。

理由としては、ラケットを掌(てのひら)の一部で支えているからです。

後でも述べますが、ラケットを掌(てのひら)の一部で支えているためペングリップよりラケット重量がかなり軽く感じることができ、フォアとバックの切り替えが非常にスムーズになります。

どのようなグリップかを画像と共にご説明します。

●フォア面(↑ 上図)
ラケットの表面は、親指のみで支えており、掌(てのひら)の部分も使ってラケットを支えています。※赤丸の部分です。

●バック面(↑ 上図)
ラケットの裏面は、親指以外の4本の指で支えています。

注目は、人差し指です。人差し指だけ軽く曲げて、ラケットの木材の部分にあててしっかり固定しています。※赤丸の部分です。

別の角度から見るとこんな感じです。(↑ 上図)

では、次に「小塩式グリップ」のメリット・デメリットについて考察します。

3.「小塩式グリップ」のメリット

【画像】今回使用したラケット(182g)

(1)バックハンドがやりやすい

厳密にはペンホルダーではないので、「裏面打法」と呼ばないかもしれませんが、自然にラケットを持った状態が、そのままバックハンドが打てる角度になっているので、非常にスムーズに打球することが出来ます。

(2)切り替えがスムーズ

「小塩式グリップ」でスイングすると、非常にコンパクトなスイングになります。従って、フォアハンドとバックハンドの切り替えが非常にやりやすくなるので、ピッチの速さで勝負ができるグリップであると言えます。

(3)ラケットが軽く感じる

グリップの説明で述べたとおり、ラケットの一部を掌(てのひら)の部分も使ってラケットを支えているので、指だけでラケットを支えるペンホルダーグリップと比較すると、ラケットが非常に軽く感じられます。

グリップの説明で使用したラケットの重量は、約180gあったのですが個人的な体感だと20~30g程度は軽く感じました。

ペンホルダーラケットの両面にラバーを貼って、ラケットが重すぎて悩んでいる人には、もしかすると良いかもしれません。

4.「小塩式グリップ」のデメリット

(1)フォアハンドドライブの威力が出ない

「小塩式グリップ」は、スイングがコンパクトになるので、スイングによる遠心力が小さくなります。よって、ペンホルダーで威力のあるボールを打つ人にとっては、物足りなく感じると思います。

小塩悠菜選手の場合、フォア面のラバーは表ソフトを使用しています。フォアハンドの強打は、ドライブではなくフラットにボールを叩いて、スマッシュ系の技術を使っています。

(2)サーブが限定される

「小塩式グリップ」は、サーブ時の手首の可動域が狭いので、YGサーブ等の手首のスナップを必要とするサーブは難しいと感じました。

サーブの時だけ、グリップを変える等の工夫が必要となる可能性があります。

なお、小塩悠菜選手は、手首のスナップをそれほど必要としない巻き込み系のサーブをメインに使っているように見受けられます。

(3)すっぽ抜けそう

ラケットの表面は親指だけで支えているので、強くスイングした時にすっぽ抜けそうで不安がありました。
※慣れの問題かもしれません。

5.実際に「小塩式グリップ」でプレー可能か?

この記事を書くにあたり、実際に「小塩式グリップ」でプレーしてみました。

結論としては、通常のペンホルダーグリップからのスムーズな移行は、以下の理由により難しいと感じました。

  • スイングがコンパクトになるので打球点が異なる
  • 手首が使いにくいのでフォアドライブの打球感覚が異なる

ペンホルダープレーヤーである私にとっては違和感だらけなのです。どのくらい難しいと感じたかと言いますと、シェークに転向した方がまだ簡単だと思ったくらい難しく感じました

別ブログで、「松下式グリップ」がかなり有効だと述べていますが、「小塩式グリップ」については、使えるようになるにはかなりの訓練が必要だと感じました。

最初から(初心者のころ)から、「小塩式グリップ」にすれば違和感なく使えるようにはなるのではないかと個人的には感じています。

6.まとめ

いかがだったでしょうか?

私が、「小塩式グリップ」を実際にやってみた素直な感想は、「生半可な気持ちで挑戦するのはダメです。

正直言って、「小塩式グリップ」を駆使して、小塩選手がワールドツアー(ユース)で中国人選手に次々と勝っているのが信じられないです。

小塩悠菜選手は、グリップだけでなくプレースタイルも個性的なので、ワールドツアーやTリーグを観戦するのは非常に興味深いです。

個人的に、全力で応援したい選手なので、これからも小塩悠菜選手の活躍に注目していきたいと思います。

以上となります。みなさまの参考になれば幸いです。

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