1.ルーティンとは
一般的に、試合前や試合中に決まった動作を行うことで、プレーのパフォーマンスを向上させること言います。
卓球はメンタルが非常に大きく影響を与えるスポーツです。
卓球における試合は、非日常であり普段の精神状態で臨むのは難しいことだと思います。
特に、社会人の場合は練習時間の確保も難しく、試合慣れするのも簡単でないと思います。
普段通りのプレーに出来るだけ近いパフォーマンスを発揮したいのであれば、ルーティンは取り入れて損はない取り組みです。
卓球競技においては、試合前や試合中に取り入れることにより、一例として以下のような効果が期待できます。
(1)緊張状態や不安な気持ちを和らげる。
(2)重要な場面で集中力を高める。
(3)緊張した場面でも、普段に近いパフォーマンスを発揮する。
あまりにやりすぎて神経質になるのは逆効果ですが、メリットの方が多いと言えます。
2.試合前のルーティン
色々とありますが、緊張をほぐすための一般的によく見かけるルーティンは、
音楽を聴く
軽くランニングやストレッチを行う
試合会場をゆっくりと見渡す
ダンスをする(張本美和選手)
などがあります。
個人的にとても簡単でおすすめできるルーティンがあります。
それは、会場のトイレを使用することです。
これは、スポーツの試合以外でも試験会場や面接会場など緊張するような場所で使える手法で、不思議なほど落ち着きを取り戻すことができます。
特に、初めて訪れる会場であれば効果が高いのでおすすめです。
3.試合中のルーティン
卓球の試合において特に見かけるのがサービス前のルーティンです。
本番の試合だと、ギャラリーもいて緊張するし、手が震えて、ミスが怖くて普段の回転量は出せず、コースも甘いと悪循環にはまりがちです。
サービスでルーティンが良く見られるのは、相手に関係なく自分の好きな回転・コース・スピードが決められる「一球目攻撃」と言われる重要な技術ですから、ルーティンを使って集中力を高めて、出来るだけ質の高いサーブを出そうとするからだと思います。
世界のトッププレーヤーも多く取り入れていますが、特に中国人選手のサーブ前のルーティンは、徹底しているように感じます。
(1)樊振東(ファンジェンドン)
台上でボールを2バウンド✖3~4回 ⇒ サーブの構え
(2)王 楚欽(ワン・チューチン)
台上でボールを2バウンド✖5~7回 ⇒ サーブの構え
(3)馬龍(マロン)
床でボールを2バウンド ⇒ 台上で細かくバウンド ⇒ サーブの構え
(4)許昕(シュシン)
台上で細かくバウンド ⇒ サーブの構え
(5)孫穎莎(スンイーシャ)
ラケット上で数回ボールを転がす ⇒ 台上で細かくバウンド ⇒ サーブの構え
なお、日本人選手もサーブ前にルーティンを行う選手はいますが、場面によって動作が変わることが多いので割愛します。
4.【卓球】ルーティンの効果について
私は、試合で極度に緊張する方です。ひどく出来の悪い試合をした時など、もう試合に出たくないと自分自身嫌になることが多々ありました。
そういった理由から、ルーティンについて研究するようになったのです。
そして、ルーティンを実施することにより、明らかに以前よりは普段に近いパフォーマンスを発揮できていると実感しています。
参考までに自分のルーティンを挙げると
(1)試合前
・会場のトイレを使う
・決まった軽いストレッチをする(9種類)
・台で練習できない場合はごく軽くランニング
(2)試合中
【サーブ前】
①ボールにスピンをかけて2回リフティング
②ボールを卓球台上で3バウンドさせる
③ボールを掌に乗せ「+」マークに焦点を合わせる
④トスを上げる
※約2~3秒程度を使って行っています。
【レシーブの時】
・ラケット持っている手の力を抜いて、ブラブラする。
【その他】
・スコアが6の倍数の時に使える「タオリング」を必ず行い、一呼吸おいて次のプレー方針を考える。
現在は、このような感じでやっています。
5.さいごに
大事なのは本番の試合だけやっても意味がないので、普段の練習時にも同じような動作を繰り返すことだと思います。
以前の私は、試合になると別人のように凡ミスを繰り返し、知り合いからの絶句されるほど力を出せなくて落ち込むことがありましたが、現在は、少なくとも卓球をやめたくなるほど情けない試合はしなくなりました。
どんな試合でもある程度は自分の力が出せるようになってきたのは、ルーティンを取り入れたことも要因の一つだと考えています。
特に社会人の場合は、試合数も少ないので試合慣れするのも簡単ではないです。
非日常である卓球の試合で普段のパフォーマンスを発揮するのは難しいことですが、工夫すれば改善できることはあると思います。
以上、参考になれば幸いです。
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