1.はじめに
私は、卓球グッズの形状や性質などを確認する際に、各卓球メーカーのホームページのカタログを見ることがあります。
特に、ラケットやラバーについてカタログに記載されている性能表示は、購入前の判断材料として重要です。
各メーカーのラケット・ラバーの性能表示を見ていると、特にラケットの性能表示はメーカーごとに表示方法がバラバラだということに気付くと思います。
そこで今回は、各メーカーのラケットの性能表示にスポットを当てて考察したいと思います。
なお、ラケットの性能表示については各メーカーのデジタルカタログを参照しています。
(1)ニッタクWEBカタログ:https://www.nittaku.com/products/catalog/
(2)ヤサカ総合カタログ:https://www.yasakajp.com/wp-content/uploads/yasaka2023.pdf
(3)ヴィクタスWEBカタログ:https://www.victas.com/ja_jp/web_catalog
(4)バタフライデジタルカタログ:https://www.butterfly.co.jp/catalog/
2.卓球メーカーのラケット性能表示
では、日本国内の主要メーカー4社の表示方法を見てみましょう。
(1)ニッタク
スピード:スロー — ミッドスロー — ミッド — ミッドファースト — ファースト
打球感:ソフト — ミドル — ハード
スピード:フラットに打った際の弾み/ファーストに近いほどボールの飛び出しが速い
打球感:合板の硬さ、しなりの度合などを考慮して振り分けた打球時の感覚
参照:ニッタクWEBカタログ
(2)ヤサカ
スピード:スロー — ミッドスロー — ミッド — ミッドファースト — ファースト
打球感:ソフト — ミディアム — ハード
(3)ヴィクタス
反発力:弾まない(1)~弾む(10)【0.5刻み】
振動:振動しない(1)~振動する(10)【0.5刻み】
打球感:ソフト1~20ハード
(4)バタフライ
反発特性:ラケットの弾みを測定して数値化したもので、値が大きいほど良く弾みます。
振動特性:ラケットの振動数の多さを測定して数値化したもので値が大きいほど良く弾みます。
3.カタログの性能表示から分かること
(1)ラケットの弾み
ラケットの弾みについては、各社「スピード」「反発力」「反発特性」といった指標を用いて表示しています。購入前の材料としてある程度は活用できそうです。
※各メーカー表示形式が異なるため、他社のラケットと単純比較は出来ません。
(2)打球感
バタフライを除く3社で「打球感」という指標を使用しています。
「打球感」は、ボールをインパクトした際に、「硬い」「柔らかい」等の感覚を示したものになりますので、数値的なデータを用いた根拠はありません。
「打球感」は木材の材質や特殊素材の有無で変化します。更に、ボールをインパクトした際の感じ方はプレーヤーによって異なります。
従って、「打球感」については、数値的なデータを用いていない感覚的な指標と言えるため、あくまで参考材料として認識した方が良いでしょう。
(3)振動・振動特性
ヴィクタス⇒「振動」、バタフライ⇒「振動特性」という指標を使用しています。
「振動」「振動特性」については、ボールをインパクトした際のラケットの「振動」という物理的な数値を用いた指標を用いているため、インパクト時の感じ方(振動が手に伝わる度合)を比較的イメージしやすいと言えます。
【参考】
バタフライは、「振動特性」の値が大きいほど良く弾むとしています。物理的な表現ですが、「単位時間当たりの振動数が多い」ラケットの方が弾む傾向があるということになります。
4.まとめ
「打球感」は、昔から使われている指標ですが、数値的なデータを用いていない感覚的な指標であるため、プレーヤーによって感じ方が異なるという欠点があります。
そのため「振動」「振動特性」という新たな指標を使用するメーカーが出てきているのだと思われます。
個人的には、「打球感」という曖昧な指標に対して、数値を用いて少しでも客観的に示そうという意気込みを感じます。
また、ラケットは、合わせるラバーによっても打球した時の感触等は大きく変わってしまいます。従って、実際に使ってみないとわからない部分が多いというは仕方がないことだと思います。
今後、購入する前に参考となる新たな指標が出てくることに期待したいと思います。
以上となります。今後のラケット選びの参考になれば幸いです。
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