【卓球】卓球を理論的に考える本 『卓球戦術ノート』

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卓球その他

1.はじめに

この本は、私が卓球関連書籍でもっとも読み込んだ一冊です。約20年近く前に書かれた内容ですが、いまでも役立つ考え方がたくさんあります。

私は、この本を読む前と読んだ後では、卓球に対して考える深さが明らかに変わりました。

現在は、新刊では買うことができない本なので、心に残った個所をピックアップしてご紹介しようと考えました。

2.本書について

『卓球戦術ノート』は、卓球王国から2001年12月と2019年4月に出版されていますが内容は異なります。今回取り上げるのは、2001年12月に卓球王国から出版された本です。

著者である高島規郎氏は、全日本選手権3回優勝し、現役引退後は世界選手権の全日本監督を務めるなど、指導者としても活躍し、卓球理論家としても著名な人物です。

本書では、戦術・勝つための戦い方・戦型別の戦い方・メンタル面での戦術など、卓球に関する考え方について幅広く論じています。

3.ピックアップポイント

学びが数多くある本ですが、私なりに心に残った個所を3つだけ厳選してご紹介します。

(1)技術とメンタルについて

本番に弱い選手というのは「技」と「心」が切り離されていない人である。

※『卓球戦術ノート』より抜粋

「技(技術)」と「心(メンタル)」が切り離して考えないと、ある場面において必要な技術が不足しているとしていると、「過緊張」「ビビり」「弱気」などのメンタルの崩れにつながってしまいます。

この考え方は、知っているのと知らないのでは大きな差があると思います。

例えば、想像してみてください。

あたたは、団体戦の勝ち負けが決まる5試合目に出場しています。試合の中盤で、サーブ後の3球目攻撃が全く入らずに弱気になっています。

この時に、「技」と「心」を切り離して考えることができれば、

下回転系のサーブをバック側に集めすぎて、ガッツリ下回転をかけてフォアサイドにレシーブされている。自分は、飛びついてのドライブが得意ではないし緊張しているからミスが出ているのかもしれない。サーブの種類を変えてみよう。

というように冷静に状況分析することができるかもしれません。

「技」と「心」を切り離して考えることができれば、メンタルの落ち込みを理論的に回復することができるのです。

このような考え方は、初級者から上級者まで誰でも取り入れることが出来るので非常に有用な考え方だと思います。

(2)ゲームの後半でリードされている場面

レシーブから強引に打つ人は勇気のない人で、強気ながらも確実にレシーブを入れていく選手のほうが相手にとっては怖い。

※『卓球戦術ノート』より抜粋

本書の中で、さらっと書いてあった言葉なのですが、私にはかなり心に刺さった言葉でした。そのころの私は、まさに勝負所でレシーブを強引に打つタイプでした。

かつて片面ペンドライブ型であった私は、勝負所でバックサイドに横回転系のロングサーブを出された場合、強引に回り込んで打っていく傾向がありました。

この文章を読んでからは、やみくもに突撃して負けることがないよう我慢強く戦うことを意識するようになりました。

(3)試合の後半デュースで勝つ

競り合いで勝てる選手のスタイルは、攻撃・守備を問わず、無表情で、あまり自分の得点パターンに固執するタイプではなく、相手の失点パターンで自分の得点を積み重ねていくタイプの選手である。

※『卓球戦術ノート』より抜粋

今、この文章を読んで真っ先に思いつくのが水谷隼選手です。

水谷選手は、歴代の日本選手の中で『試合を見ていて面白い選手ナンバーワン』だと思っています。

水谷選手は、ポイントごとに一喜一憂することなく、試合全体を俯瞰し相手の分析をしっかりと行い、一見派手なプレーでない場面で何気ないプレーでの得点が実に多いのです。

その何気ないプレーは、しっかりと相手の弱点を見抜いた上での得点なのです。

水谷選手は、相手の失点パターンで得点を積み重ねることが日本一うまい選手だと思います。

そのような水谷選手の試合運びは他の選手と違って味わい深く、非常に面白いと感じていたのです。

4.まとめ

この本には、この他にも実に多くの参考になる考え方が書かれています。

高島氏の『卓球戦術ノート』は、私が、卓球をより理論的に考えることが出来るようになった最高の卓球関連書籍です。

約20年前に発行された書籍ですが、今でも役立つことが数多く書かれた良書だと思っています。

以上となります。

今後の卓球の考え方の参考になれば幸いです。

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まさぴー

卓球歴約40年。2011年に自宅を建築した際は、卓球台を置けるよう設計するほどの卓球好きです。今までの経験を活かし、これから卓球を始める方や中級者の方向けに役立つ情報を掲載していきます。

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